町の均一化

思春期を過ごした町に行ったとき、かつて初めての恋人と映画を観たり、友人に誕プレを買ったりした商業施設を訪れた。ちょっと、ショックだった。すっかり東京などにある商業施設と変わらないように感じたからだ。

私が利用していたときは、ローカルの雑貨屋さんなどが入っていたが、それらはなくなっていた。代わりに、大手の(雑貨、衣服などの)チェーン店が売り場の大部分を占めていた。

その町に暮らしていた当時は、全国放送のテレビなどでもよく取り上げられるそうしたチェーン店に憧れていた。私が今も住んでいたら、そうしたお店が自分の町の商業施設に入ることを嬉しく思っていたかもしれない。

自分の思い出がある場所が、変わったことへの寂しさもあると思う。それに加えて、町の特色が失われて大きな資本力の下に「均一化」されていくことへの怖さや怒りに近い感情もあると思う。これは他の町に対しても抱くことがあるが、思い出がある場所だからこそ重なって、複雑な気持ちになったのかもしれない。


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