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肥満児誕生秘話。

オカンは新婚のころ、家事や炊事を積極的にがんばった、と言っていた。

が、私が小学校低学年くらいになると「料理は大嫌い」と口にするようになっていた。

なんで嫌いなん?と私ら兄妹が聞くと、新婚のころは料理本などを見て粛々とがんばっていたのだが、

ある日のレシピで「豆腐を揚げて下さい」を忠実に実行したところ、その一時間後に

「何やのこれ!厚揚げやないの!」となり、
アホらしなったわと(笑)。

↑  その一件が、料理を嫌いになった理由らしい。

なんともオカンらしい発言ではあるが、その辺りから「焼き肉」が多くなった。

「焼き肉」とは聞こえがいいが、スーパーで買ってきたお肉を家庭用コンロで網焼きにするだけの夕食メニューが非常に多かったのである。

育ち盛りの私はタマネギを横目に、決して多くはない枚数の肉でマンガ盛りの白ご飯を何倍も何倍もお代わりして、〆には玉子かけご飯まで喰らうのである。

ご想像どおり、みるみると膨れ上がり、小学校の高学年で少し異性を意識し始めるころには正真正銘のデブになっていた。


持ち前のジャイアン魂でいじめられる事はなく、なんとか乗り切ったのだが思春期突入直前のコンプレックスったらなかった。

だって自身を意識したとき、すでに自分はデブだったというこの事実(−_−;)

…しかし後々の人生、このコンプレックスが私を、右へ左へと突き動かした。


モテたこと、チヤホヤされたことなど一切ない私はロックに目覚め、

神様とも出逢い、


髪を伸ばし始めた。

ドラムを叩き、ギターをかき鳴らして、




コンプレックスの塊だった自分の中の何かへのリベンジが始まったのである。



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