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帳簿Ⅱ-現金出納帳・当座預金出納帳-

現金や預金に関する補助簿には、現金出納帳(げんきんすいとうちょう)・当座預金出納帳(とうざよきんすいとうちょう)・小口現金出納帳(こぐちげんきんすいとうちょう)があります。

小口現金出納帳については 、小口現金の単元でお伝えしました。今回は現金出納帳と当座預金出納帳について解説します。


現金出納帳

現金出納帳は、現金の増減があったさいに記入する補助簿です 。現金が増えた場合には収入欄へ、減った場合には支出欄へ明細と残高を記入します。

1現金出納帳


【例題15-3】
次の取引を現金出納帳に記入し、締め切りなさい。なお、現金の前月末残高は20,000円である。

6月 1日 : うさぎ商店に商品30,000円を販売し、同店振り出しの小切手を受け取った。
     14日 : きりん商店より商品20,000円を仕入れ、代金のうち5,000円は現金で支払い残額は掛けとした。
     20日 : 切手を購入し、代金3,000円を現金で支払った。

仕訳をすると以下のようになりますが、このうちの現金勘定だけを現金出納帳へ記録していきます。

2現金出納帳仕訳


補助簿は、総勘定元帳と違い1か月単位締め切ります。そのため、必ず月初に前月末の残高を①前月繰越として摘要欄に記入します。金額は、収入欄残高欄へ記入します。

3現金出納帳詳細

月内に行われた取引は、簡潔に摘要欄へ記入します。

月末には、②次月繰越として③支出欄月末残高を記入します 。赤字記入が原則となっていますが、実務や本試験では黒字でOKです。

収入欄と支出欄に④合計線を引きそれぞれの合計を計算します。あとは、⑤締切線を引いて締め切り、翌月1日付で前月繰越として残高を記入します。記入箇所は収入欄残高欄です。忘れないようにしましょう。


当座預金出納帳

当座預金出納帳は、当座預金の預け入れ引き出しをおこなった際に明細残高を記録します。当座預金に預け入れがあれば預入欄へ、引き出しがあれば引出欄へ記入します。

特徴的なのは、預金残高が借方・貸方のどちらにあるのかを記入する欄が設けられているところです。

4当座預金出納帳


【例題15-4】
次の取引を当座預金出納帳に記入し、締め切りなさい。なお、当座預金の前月末残高は110,000円である。

7月10日 : きりん商店に対する買掛金150,000円について小切手を振り出して支払った。
  15日 : りす商店より売掛金130,000円が当座預金に振り込まれた。
     25日 : 現金50,000円を当座預金に預け入れた。

仕訳をすると、以下のようになりますが、このうちの当座預金勘定だけを当座預金出納帳に記録していきます。

5当座預金出納帳仕訳



月初は、必ず①前月繰越をとして前月末残高を預入欄残高欄へ記入します。残高欄の手前にある借/貸欄は②残高の状態を示しています。例題では前月末に110,000円の残高があるといっていますので、『借』と記入します。

6当座預金出納帳詳細

月内の取引は、現金出納帳と同じように摘要欄へ簡潔に内容を記入します。7月10日の取引は、当座預金残高以上の取引がおこなわれています。つまり③当座借越の状態です。貸方残高となることに注意しましょう。

月末には、④次月繰越として⑤月末残高引出欄に記入します 。赤字記入が原則となっていますが、実務や本試験では黒字でOKです。

預入欄と引出欄に⑥合計線を引き、それぞれの合計を計算します。あとは、⑦締切線を引いて締め切り、翌月1日付で前月繰越として残高を記入します。記入箇所は、預入欄・借/貸欄残高欄です。忘れないようにしましょう。

☆・☆・☆

帳簿への記入はシンプルですが、『残高の状態を記録する』といったような特定の勘定に欠かせない重要なものが含まれています。しっかり特徴を確認していきましょう。

今回はここまで。
ではまた。


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