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くぴぽSOSびよーーーーんど

※ゴリゴリにネタバレを含みます。寧ろなぞって
 いるまであるので未鑑賞の方はご注意下さい。
※記憶に基づくため相違もあるかもしれません。
 ミジンコ記憶力を振り絞るのでゆるしてちょ。


ライブアイドルとは
つづけること、辞めること
グループでの人間関係
セクシャルの迷い
コロナ禍での変化
ライブアイドルの現在と未来

長期の撮影を通し、複合的な要素が絡み合った
映画「くぴぽSOSびよーーーーんど」の東京上映
そして舞台挨拶に登壇してきた。



くぴぽさんとは長い付き合いになる。
初対バンは2019年5月5日、渋谷LUSHにて
この時はじめてくぴぽを観る。

この頃のくぴぽは「まきちゃんをしばき倒す」というのがライブの通例になっており、くぴぽのオタク、通称・くぴーぷるに浮き輪バットを手渡してもらったオクヤマはまきちゃんをバットでしばいた。(初対面なのに!)
https://x.com/ui_okuyama_0512/status/1124945027929481216?s=46


その後、くぴぽ初の定期東京主催ライブ
「くぴぽ学園」にお呼び頂くことになる。https://x.com/ui_okuyama_0512/status/1170615118742163456?s=46

たぶんこの日が、表立ってくぴぽとの関係性を
オタクに楽しんでもらうようになった日だと思う。

きっかけはくぴぽのライブ中
くぴーぷるの野次とまきちゃんの手招きで飛びつき「ジャイアントスイング」をしてもらったこと。

当時の「もう恋」(曲名の愛称)は、今のようにまきちゃんがメンバーをジャイアントスイングする形でなく、まきちゃんがオタクにジャイアントスイングをされるスタイルだった。

その日まきちゃんがいつも通りジャイアントスイングをした後、まきちゃんの機転でライブ中に合図を送ってくれたのだ。まきちゃんがジャイアントスイングを「する側」になったこと、そして「アイドルがジャイアントスイングをされた」ことで場は大いに盛り上がった。

その後、主催や生誕など大事なときにお呼び頂いたりお呼びして、「まきちゃん大好きアイドル」「くぴぽ×吉田豪のちゃんと肯定しろ」そして最近では「くぴぽを褒める会」等トークにも参加させてもらって今に至る。

ジャイアントスイング集


映画と同じ時を経てきた。
だからこそ、この映画「くぴぽSOSびよーーーーんど」のシーンひとつひとつが、より肌で感じられて感慨深かった。ただ、この空気感みたいなものは、同じ時を経ていなくともまるでタイムカプセルを開けたかのように感じてもらえるとおもう。それほど生感のある映像だった。


シーンはくぴぽ初東京ワンマンから始まる。
(このライブにオクヤマもお祝いしに行ったのでチラッと白い帽子の後ろ姿が映っている 笑)

懐かしさで涙腺が弛んだ。
序盤も序盤である、身体がもたないよ!

今はなきくぴぽの昔。
そしてずいぶんと会えていないオタクの顔。
げんきにしているかな。涙が出た。


ほんぼちゃんの葛藤
インタビューのシーンで映る「ふつうの女の子」にびっくりしてしまった。あまり見せない姿だったから。

※ほんぼちゃん卒業に関しては当時noteに感情を綴っている https://note.com/okymui/n/n76a3ea2990f6?sub_rt=share_b

ほんぼ星からやってきた奇天烈ほんぼちゃん。
ほんぼちゃんというキャラクターをやり通せるうちに辞めるという決断、すごくプロフェッショナルだなと思った。

でも、映画を観たら「そんなこと思わなくていいから辞めないでくれ」みたいな気持になってしまった。美しいうちに死にたいと言って若くして死ぬ人に「生きてほしい」と思うのと同じだ。
勝手だよねえ。それでも思っちゃうんだよ。

ほんぼちゃんが辞めた時、まきちゃんに「プロフェッショナルだなと思います」って伝えたら「そうなんかなあ…」と言っていた。その「そうなんかなあ…」にはそれで辞めてしまうことへのやるせなさみたいなものがあったのかもしれない。

やり抜くプロフェッショナルさと、
去り際を決めるプロフェッショナルさ、
どちらも美しいけれど、
どちらを選ぶかは本人にしか決められない。


コロナ禍の到来
ほんぼちゃんが辞めてから
なだれぴとひめちゃんとの3人体制を経て、
あむちゃんが加入する。

そして、コロナの大打撃。
あの鬱屈とした閉塞感が、映像で蘇る。

緊急事態宣言、不要不急の外出禁止、三密、
無観客ライブ、声出しNG、ソーシャルディスタンス、大打撃を受けたライブハウス。

経験したことのない状況に誰もが踠いていた。

ちなみにその頃オクヤマはというとツイキャス配信にハマっており、12時間連続配信をしたり、いろんな方とコラボ配信をしていた。その中でもまきちゃんとのコラボ配信「#まきちゃんとおくやまの配信」は第4回にも渡った。
https://x.com/ui_okuyama_0512/status/1291147829625249792?s=46

個人配信はもちろんライブ配信など、この時に培われた配信文化は、数少ないコロナ禍の恩恵かもしれない。

グループでの人間関係の難しさ
コロナ禍後期。模索するしかない状況で、
まきちゃんは透明なボールの中に入っていた。

ナノボロフェスタ出演時、これでもかと罵倒するシーンはまきちゃんにとって許せない場面だそうだが、申し訳ないけれど観ている側からしたら笑ってしまった。あまりにもボロクソだったから。「そんなに言う〜!?」ってくらいに笑

この時のメンバーのあっけらかんとした強さみたいなものは、グループを運営するまきちゃんにとってはコントロールしづらさに繋がっていたとおもうが、側からみている限りは大きな魅力でもあった。

自分の意見や意思がハッキリとあって
それを発信することを恐れない強さ。
当時のメンバーの大大大だいすきなところだ。

それでもグループで活動する以上、
価値観が違うものを擦りあわせるのは大変だ。
基本その役割は運営さんという「大人」が担い、悪者になってでもある程度の強制力で率いていくものだが、プレイヤーでもあるまきちゃんは「大人」のみではないためパワーバランスが崩れやすいのかもしれない。

わたし自身のグループ円満卒業でも「ちゃんと喧嘩がしたかったなあ」と思うことがある。価値観が同じ者同士でかたまることはよくあって、違う者とのコミュニケーションを諦めてしまうことは多い。
いないところで共感し合って終わるのではなく、違う者同士がもっと会話できたら理想的だ。ただそれは双方がそれを望んでいる場合に成り立つことで、現実は理想通りにはいかない。
これがグループの人間関係の難しさだとおもう。

さらにまきちゃんは、呑み込まなくてはならない「運営のしんどさ」と表に立ち評価を受ける「アイドルのしんどさ」どちらも受けることになる。こんなの壊れない方が不自然だ。

映画の映像がパッパッと切り替わる。
人気のない道路や、繰り返し出されるアナウンス。そして、「なだれ卒業」「ひめちゃん卒業」「あむちゃん卒業」の発表文。

絶望感が漂う。

コロナ収束そして現在
その後、コロナ禍が収束に近づくとくぴぽの現メンバー(そしてまこち)とのたわいもない日々が映し出された。なんだか現メンバー達の面々をみたらすごくホッとしてしまった、安心する。笑顔のまきちゃんが映り、現メンバーに対する「有難う」の気持が溢れる。

コロナで二度も延期になった服部フェスの開催。
「芝生の方までついてこい」まきちゃんが客席のうしろまで駆けていき、テントによじ登る。
高所でしがみつきながら歌うまきちゃん。なんてダサいんだろう、こんなにダサくて格好良い姿、みていられるのが本当に幸せだ。

シーン毎に楽曲の素晴らしさが浮き立っていた。
すべての歴史と思い出が、音楽に残っている。

もうひとつの物語
この映画を語る上で忘れてはならないのが
くぴぽの歴史を映すと同時に辿っていた「少女模型」さんの歴史。あんなに楽しそうで仲良しなんですと笑顔で仰っていた少女模型さんが、コロナ禍を経て一人になった。(現在は4人体制)

「お金持ちと結婚できたら」という言葉に
オタクでもないのになんだか無力感を抱いた。
それでもキラキラした時間がそこにあったこと、
それが何より有難くて嬉しくて尊いなとおもう。


辞めること、つづけること
どの選択でも幸せでいてくれることが一番だな。

くぴぽは続いていく、オクヤマも続ける。
たまに活動していると「何のためにしているのか?」「何を目指しているのか?」と訊かれることがある。

「ライブが楽しいから、これを一生つづけたい」

これに尽きる。YesHappy‼︎ さんのインタビューにもあったが、目標はあくまで目標であり本気でそれを目指すにしても、原点である目の前の楽しさをしっかりと抱きしめていれば、つづけていけるのかもしれない。

セクシャルの迷い
もう一点、言及しておきたいのが
まきちゃんのセクシャリティについて。
映画の中で、価値観の違いにおいてどうしても
マジョリティとマイノリティだと、マジョリティが力を持ってしまう難しさが映し出されていた。
そのひとつの要素として「まきちゃんのセクシャル」がピックアップされている。

まきちゃんのセクシャルに関するひめちゃんの
インタビューは、サッパリとしたひめちゃんの
適切な距離感が存分に感じられて清々しかった。
そしてここでは、まきちゃん自身に「迷い」
「不明瞭さ」があったことが語られていた。

時が経ち、服部フェスのステージで
ずっと続けていきたいと語る現くぴぽメンバー。
まきちゃんが言う。「おばあちゃん…になるまで」わたしはなんだか嬉しかった。
まきちゃんはまきちゃんだから、気にしなくたっていいのだけれど、この映画の一幕では一歩進んだという描かれ方をしていて、「おぉ!」と思った。

途中アーティストの方のインタビューで「服部くんの変わっていく様を近くでみられるのは嬉しいことだ」という言葉があった。まさにそれを感じているし、それを感じさせてくれるまきちゃんはまぎれもなくアイドルだ。

変わったこと、変わらないもの
コロナ禍を経て、
「もう恋」のジャイアントスイングは
オタクがまきちゃんをまわすのではなく、
まきちゃんがメンバーをまわすようになった。

まきちゃんはどつかれることが減った。
浮き輪バットはあまり見なくなった。

「まきちゃんかわいいSONG」では
相変わらずボールを投げられて顔を歪めている。
歌詞は時代に合わせて「まきちゃんブサイク」から「まきちゃんかわいい」に変更された。

メンバーも変わり、増え、今では6人。
ひとりひとりが魅力的で、大きな会場が映える。

くぴぽは変わりながらもくぴぽであることは変わらない。それぞれの時代のメンバーへ「くぴぽになってくれて、その時のくぴぽをつくってくれて有難う」そして現メンバーへ「くぴぽでいてくれて有難う」という気持でいっぱい。

まきちゃんは「くぴぽそのもの」であるように思う。くぴぽを続けてくれて有難う。

あなたの物語
この映画を「お話」にしてほしくないなと思う。
今まさにこの映画は続いている、この「今」現実にあるものだから。

服部フェスが今月末に開催となる。
「この景色を覚えておいてください、服部フェスを満員にします」現実に今あるこの世界で起きていること、映画の続きは今ここにいる我々がつくっていく。「これはあなたの物語」だ。

辞めていったメンバーも其々の今を歩んでいる。
なだれぴ、元気かなあ。ひめかちゃん・あやかちゃん(元ひめちゃん・あむちゃん)のユニットPINKBLESSちゃんとはたまに会えて嬉しいんだ。まこち、新プロジェクトたのしみだ!

オクヤマウイもくぴぽに置いていかれないよう・この世界の物語に参加しつづけられるように踏ん張って這い上がるし、「あなた」もこの物語にもうすでに参加している。

共に未来をつくろう。


ほんとうに宝物のような映画だった。
そんな宝物のような映画に出演させてもらえて嬉しい。有難うございました。

たまにタイムカプセルを開けたくなる時に
いつでも開けられるように円盤化してほしいな。

少しでも多くの人にこの映画が、
そしてこの世界が届きますように。


まだつづく物語の途中!

▼服部フェス2024
2024年3月30日(土)、31日(日)
服部緑地野外音楽堂(大阪)
開場12:00/開演12:30
https://x.com/hattorifes_info/status/1761601926339375351?s=46
(満員の服部緑地を見られますように)

▼オクヤマウイ復帰ライブ
「IZANAGI POWER UP‼︎LIVE」
3月17日(日) 新宿SAMURAI
OPEN 10:30 / START 11:00
https://t.livepocket.jp/e/wmypz
(今後の未来がマジで決まる日かも、宜願います)

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