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お笑い初期衝動

99.栄養不足とストレスのダブルパンチ


ファミレスの鉄板を清掃するときの、洗浄剤の蒸気を浴びるだけで、まぶたがとんでもなく腫れあがる。
それほど、僕の体の抵抗力は落ちていた。

抵抗力の低下。
思い当たる要因は、2つあった。

1つは、栄養不足だ。
時代は平成であったが、かけだしの売れない芸人である以上、栄養不足は起こり得るのだ。

vol24.運命?(お笑い初期衝動|奥山ツンヂ|note)でも触れている通り、
僕はサラリーマン時代の貯金を全て投入して養成所に入ったため、当時はとんでもなくお金がなかった

食事といえば。バイトのまかない以外は、ただひたすらに、ふりかけご飯を食べるのみ。
おかずを買う予算はなく、ふりかけご飯のみをお腹いっぱいになるまで食べるという、そんな食生活を半年以上続けていた。

20代前半の頃は、多少栄養が足りなくてもなんとか乗りきれる若い体なのもあり、「いかに食費を削るか」に徹底的に注力していた。
というか、お金がないんだから、そうするしかなかったのだ。

「どこか節約できるお金はないか」と、事細かにノートに書いた家計簿と日々にらめっこをして。
しかし毎度いくら考えても、食費を削る以外にお金を捻出する術はなかった。
あの時期の食は、本当に苦しかった。
今できるかといったら、正直無理じゃないかと思う。
若さと夢が成し得るパワーで、なんとかかんとか持ちこたえていたのだ。

そんな食生活であったため、当然ながら栄養は偏り、気がつけば抵抗力が極端に落ちていたのだろう。



あと、抵抗力が低下したもう1つの思いあたる要因といえば、ストレスだ。
ジルとしての芸人活動もうまくいかないことが増え、この頃、多大なストレスを抱えていた。

その昔、松竹の大先輩・よゐこの有野さんが若手の頃、ストレスでまゆげが抜け落ちるということがあったという。
ちなみに、僕もこの頃から更に1年後ぐらいに、ストレスでまゆげが抜け落ちるのを経験している。

軽視しがちだが、ストレスが健康に及ぼす影響というものは、決して小さくないのだろう。

栄養不足&ストレスのダブルパンチで抵抗力の落ちた体に、濃い洗浄剤の蒸気を浴び。
いたって健康な体ならどうってことないものを、この時、僕の両まぶたは悲鳴をあげ、ボッコーンと真っ赤に腫れ上がったのだ。多分。




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