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お笑い初期衝動

77.自分達のセンスを信じきる

コント『ペットの見せ合い』は、養成所でそれなりの手ごたえはあったものの、事務所ライブの出演には至らなかった。

先輩も後輩もたくさんいる中で、当時は事務所ライブが2つしかなく。
それも上のライブと下のライブの2つなので、まずは出れる可能性があるのは下のライブ1つだけ。
かなりの難関ではあった。

ネタ見せは、毎週火曜の昼2時からだったが。終わるのは、遅いときは21時ぐらい。
それぐらいたくさんの芸人が、ネタ見せに参加していた。
養成所担当木佐さん(仮名)をはじめ、ネタを見る側も相当大変だっただろうと思う。

僕達は、『ペットの見せ合い』では事務所ライブの出演権を得られなかったが、特にへこたれることはなかった。
理由は、養成所でのウケは悪くなく、おもしろいネタを作れてるという実感があったからだ。

「ライブに出れなかったにしても、俺らがおもろいという事実は変わりない」
生意気にも、これぐらいに思っていた。

翌月にはコント『奈良のシカ』、翌々月には漫才『店』を披露。
いずれも事務所ライブの出演には至らなかったが、「またいいネタができた!」と僕達は充実感を重ねていった。

まだ舞台に1回しか立っていないのに、僕達は自分達のセンスを信じきっていた。



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