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お笑い初期衝動

81.大江さんの一言

僕と田中三球は、好きな笑いがちかく、性格も似ていた。
しかし、当然ながら全く同じ人間ではないので、時には意見や好みなどが食い違うこともあり。
僕達は少しずつだが、ギクシャクする面も出てくるようになった。

好きな笑いの方向性がちかいが故、周りの芸人からは仲良しコンビのイメージで見られていたが。何でもかんでも合う訳ではない。

その昔。マンスリーよしもとという雑誌で、バッファロー吾郎さんが「仲いいコンビに見られますけど、実際はいろいろありますよ」とコメントしてるのを目にしたことがある。

その時、「やっぱりそんなもんかぁ。俺らもそうやもんなぁ。」と勝手ながら思ったものだ。

そんなような頃。
養成所担当社員の大江さん(仮名・推定20代後半の男性)と、ネタ見せ終わりでかるく雑談になったときのこと。
大江さんが何気なく僕に放った一言で、僕は大変複雑な気持ちにさせられたことがあった。

大江さんは、小バカにするような、やや上から目線の笑顔で、こう言った。

「奥山は、田中三球の操り人形なんか?」



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