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お笑い初期衝動

144.当たり屋の光景

湯呑みを使ったショートネタの1本目を『捨て湯呑みと飼い主』とし。
2本目を『湯呑みとヤクザ』とした。

この2本目は、どういう内容かというと。

ヤクザとすれ違いざまに、少し当たっただけで、「お前なにぶつかってきとんじゃー!」と理不尽に慰謝料をふっかけてくるアレ。
いわゆる当たり屋というやつを演じた。

今時はヤクザの形態も変化して、もしかしたらそういう光景は少なくなってるのかもしれないが。
当時でいうと、当たり屋に因縁つけられるなんてのは、誰もが想像しやすい、よくある光景だった。

これを、僕がヤクザ役、湯呑みを一般人役として、「あっついお茶で足やけどした。どないしてくれんねん!!」などのセリフで展開させた。


ちなみに、これは余談だが。
この数年後、アルバイト先のサウナの宴会場で直営業をやったときのこと。

僕はこの『湯呑みでコント ~湯呑みとヤクザ』を、コミカルに熱演したつもりだったのだが。

「お前、俺が中卒やからってナメてるやろ!」
「お前、俺がIQ2やからってナメてるやろ!」

というセリフが、どうもまずかったようで。

後でサウナ経営者からそっと、「今はインテリヤクザも普通にいるから、“中卒”とか言わん方がいいよ」とたしなめられた。

その経営者自体がヤクザであるという噂が僕の耳に入ったのは、その少し後だった。

噂が本当かはわからないが。
ひょっとしたら僕は、とても命知らずなネタをやっていたのかもしれない…(笑)




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