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お笑い初期衝動
100.学校で1回も喋ったことない奴が
皮膚科医師から処方された軟膏を塗ると、真っ赤に腫れてたまぶたが、数日のうちにみるみるきれいになっていった。
医師も首をかしげていたので、応急処置的にとりあえず出した塗り薬だったのだろうが、これが意外にもよく効いた。
人間の体は不思議なものである。
さて、最低限の健康体を取り戻したところで。
僕は新たに考えたコント案を、田中三球に伝えた。
まだ台本にもしていないざっくり案だったが。設定と、例えばのボケ案と、こういう雰囲気で、というようなことを説明した。
あまりにざっくりとした、聞き手に想像力を要する説明だったとは思うが。
好きな笑いの方向性がちかい田中三球である故、「うん、ええんちゃう?」となんとか理解を示してくれた。
どこまでの完成度にもっていけるかは、まだわからない。
しかしこのコント案は、今まで作ってきたどのネタよりも、僕の"にん"を活かせるのではないか。そんな予感がしていた。
僕という人間は。
社会性・自己表現・コミュニケーション能力が低く、「周囲の人達とうまく調和できてないな。みんなと波長が合わないな。」と感じる場面が日頃から多かった。
芸人との会話では、"同じ夢をみる者同士"という安心感があり、さほどコミュニケーションに困ることはなかったが。
アルバイト先なんかでは、それはもうひどいもんだった。
どのアルバイト先でも、何を話していいのか全くわからず、気がつけば極端に無口になり。いつも僕は浮いてる存在。
「こいつ何なんだろう」という目でいつも見られていた。
こういったことは、日常生活においては困難を極めるのだが。
しかし、ことお笑いに関しては。
自己のコンプレックス・ネガティブ要素こそが、時に笑いをとる強力な武器になり得るのだ。
僕の考えたネタの案は、ズバリこれ。
コント『学校で1回も喋ったことない奴が、急に家に遊びに来た』
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