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お笑い初期衝動

93.いっぱいいっぱいに見られていた


養成所担当社員の木佐さんは、下記のやり方をしているように僕には見えた。

余力を感じる芸人⇒ネタ見せで面白くても、事務所ライブに簡単には出さない。
いっぱいいっぱいに見える芸人⇒ちょっと面白ければ、事務所ライブに出す。

では、僕と田中三球のコンビ=ジルは、どうだったのかというと‥。
4作目のネタ『叫ぶ会』で、僕達はジルとして初めて、事務所ライブに出れることとなりました。

事務所ライブは、煮汁というトリオで出演して以来。本来であれば、大喜びしてもいいところだが。
僕はこの頃には、冒頭で述べたような木佐さんのやり方に薄々感ずいていたため、手放しで喜ぶことはできなかった。

僕の中では4作目のネタ『叫ぶ会』は、今までの3作のネタよりもクオリティが落ちてるように感じていた。
にも関わらず、今までのネタでは事務所ライブに出そうとしなかったのに、このタイミングで出すということは、、

「今、いっぱいいっぱいに見えてるんだろうなぁ」と感じたのだ。


今回はきっと、面白いという評価でライブに出れるのではなく。
「こいつらのモチベーションが下がらないように、そろそろライブ出演という"アメ"を与えておこう」という、言わば配慮からくる出演決定なのだろう。
そんなふうに、僕は解釈した。

逆に。前の3作のネタを見ている時点では、まだ余力を感じていたのもあって、事務所ライブに出さなかったのだろう。

なんだか複雑な思いの中。しかし出るからには、最善を尽くしたい。

僕達は話し合いの末、ネタの核となる部分はそのままに、そうでない一部の部分を若干作りかえ、ライブに臨むことにした。




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