お笑い初期衝動
66.突然の脱退
ドキドキの初舞台。その結果は。
ウケたところもあれば、そうでもなかったところもあればで。
トータルでいえばそこそこのウケ具合ではあったが、ネタ見せのときほどの確固たる手応えではなかった。
それでも、僕と田中三球は「初舞台だし、こんなもんかなぁ」とそれなりには満足していたのだが。
一方、ドクター河合は違った。
ライブ終わりに、彼の口から思いもよらぬ言葉が出たのだ。
「俺、もうこのグループ抜けるわ」
え?は??
僕と田中三球は、なぜ彼が抜けたいと言い出したのかが理解できなかった。
なんで?というのが、正直なところだった。
この程度のウケ具合では売れないと思ったのだろうか。いや、わからない。
天然芸人・ドクター河合は、普段からよくわからない思考回路の持ち主。
理由をきいても無駄なような気がして、僕と田中三球は、彼をあまりひきとめようともしなかった。
そのまま、ドクター河合はトリオを脱退した。
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