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お笑い初期衝動

131.ある種の魔法をかける


ピン芸人としてやっていこう。

そう決めたものの、それまではピン芸人として活動することに全く興味がなかったので、ピン芸について1から研究していかないといけない。

今と違って、当時は活躍してるピン芸人が少なく、また、ネットも普及していない時代。
ピン芸人のネタ動画をスマホで見る、というような今時のお手軽な方法では研究できない。
それだけでも、アナログ時代はなかなか大変である。

また前回も少し触れたが、僕は、自分がピン芸人に向いてるとは全く感じていなかった。
なので、その上で、どう活路を見出だすかも冷静に分析する必要があった。

僕は元来の性質として、喋りも動きもメリハリがない。
自分では普通にやってるつもりでも、客観的に見ると、やけにノロノロダラダラしててキレがないように映る。
ここがピンでやる上で最大の欠点であることは、自分でもなんとなくはわかっていた。

コンビであれば、コンビとして2人がかりでメリハリをつければ問題ないわけだが。
ピン芸となると、全部1人で工夫して解決しなくてはいけない。

それができなければ。客前でピンネタをやったとしても、すぐに「素人くさい」と感じさせてしまい、お客さんは早々に観る気力を失ってしまうだろう。
そんなふうに思った。

"プロ"というメッキが剥がれた瞬間、お客さんは「何かおもしろいことをやってくれそう」という魔法がとけ、笑い声に直結する高揚感なるものが一気に消えてしまうことがあるのだ。

本来ウケてもよさそうなものがウケない、逆にたいしたことしてないのにウケる。
そういった現象が起きるのは、ある種の魔法にかけることができてるか否かが要因として大きかったりする。

そのお客さん心理をどう誘導するかも、芸人側の技術であるのだ。

さて。

では、どういう方法をとれば、僕1人でもメリハリをつけれるのだろうか。。




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