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お笑い初期衝動

71.津川雅彦のひげぼーぼーの顔

『ペットの見せ合い』というコント作り。
僕のペットはキティのぬいぐるみ。田中三球のペットは何にしよう。。

僕の部屋で2人、しばらく考えるも、これだ!という名案がすぐには出ない。

そうして、なんとなく集中力も途切れてきた頃。
田中三球が、僕の部屋にあった何かの雑誌を手に取り、ペラペラとページをめくり出した。

何の雑誌だったか、よく覚えていないが。
何かの映画に出ていた津川雅彦さんの写真が、そこに載っていた。

その津川さんの顔は、ひげぼーぼー。
きっと映画でそういう役だったのだろう。
なんだか汚ならしい、でもすごく味のある顔をされていた。

それを見た瞬間。

田中三球が「津川雅彦ってこんな顔やった?」と、にやにやしながら言った。
人の嫌なとこをいじるときの、彼独特の、小バカにするような表情を浮かべている。

「映画の役でやってるんだから、この容姿をいじってもしょうがないだろうよ」と、僕は内心思ったが。
誰もがスルーしそうなところでスルーしないのが、この田中三球という男。
「この顔おもろい」と思ったからには、容赦なくいじりにいこうとする。

ネタ作りで疲れていたのもあり、僕は、この田中三球の津川雅彦いじりをスルーしかけたのだが。

しかし次の瞬間。
彼の一言に、僕は思わずハッとさせられた。

田中三球は、こう言った。

「俺のペット、津川雅彦にしよかな。」




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