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OTODASUはVTuber用スタジオになるか
Coolish Music から、低価格(9万9,900円)の簡易型防音ルーム OTODASU が発表されたと話題になっていたので、VTuber用のスタジオにどうかな?と思っている人がこの商品を正しく検討できるように記事にします。
在宅勤務にもよさそう
— ねとらぼ (@itm_nlab) October 4, 2020
低価格の簡易型防音ルーム「OTODASU」発売 税別9万9900円で手に入る演奏スペース https://t.co/hZdoHfHm6V pic.twitter.com/7ZpHiSLBDj
私はだれ?
現役で VTuber、VSinger をやってる小栗さえと申します!
音系クリエイターVとして、作曲、歌ってみたのMix、防音講座、ボイスチェンジャー講座、VSinger合唱企画などを手がけています。
防音系の活動では、VTuber用Discordサーバーなどで防音コンサルタントをやっている他、防音のブログ記事などを書いています。
DIY防音室を作ってみたり、ちょうど今月カワイの防音室(Dr-35)を購入しました。
OTODASUはVTuber用スタジオになるか?
結論としては、「ひとり暮らしで1階住みのVTuberの小規模配信ならオススメ」といった感じです。
以下のようなケースだと性能不足となる可能性があるので、検証や性能強化(後述)が必要かもしれません。
・同居人や家族に迷惑をかけたくない方。
→ 同室内や隣部屋へはある程度音は漏れると思います。
・2階住みの方。
→ 床の防音性能についての測定結果が不明です。
・マルチディスプレイ、アーム式マイクなど機材が豪華な方
→ スペース的に非常に窮屈になると思います。
・歌ってみたの収録をしたい方
→反響音が大きく、良い音は取れないです。
どれぐらい防音されるのか
OTODASU のページに貼られている動画を見ればなんとなく効果はわかると思いますが、減衰量の定量値は平均-20dB(平均にあまり意味はないので最小値の-15dBと考えた方が無難です)のようです。
VTuberの配信は70dB(通常の会話)〜90dB(叫び声・独唱など)なので、55dB(静かな事務所、換気扇)~75dB(掃除機の音)ぐらいまで減衰されると思っておくと良さそうです。
参考:東京環境測定センター調べ
また接地面や天井面の防音効果が書かれていないので、上下には声が通りやすい恐れがあります。特に地面は天井と比べ空気の層がないためより音が伝わりやすく、階下の住人とトラブルにならないように注意です。
自前で強化できるか?
性能が足りなければ、強化すればいいじゃないということで、強化プランについても書いておきたいと思います。
配線部のパテ埋め
配線部が解放されているので、パテ埋めをすることにより密閉度(防音性)が高まります。防音用の高比重パテを使うのがオススメです。
吸音材の追加
プラス5万円で吸音材入りのOTODASUが購入できるようです。
吸音材を自前で用意して貼っても良いですが、素材によっては厚みの分、部屋の内部が狭くなるので注意です(四方に貼ると厚みがかなりあります)。
また接地面の防音強化として、コルクボードなどを敷いておくと免震性が上がります。
遮音シートを追加、防音テープで隙間埋め
こちらはあまりオススメしない強化案です。
OTODASUの外装は湾曲していて、遮音シート貼りにくくなっています。曲面にあうようにシートに切り込みを入れたり、隙間を埋めるための防音テープを貼る必要がありますが、かなり難しい施工となります。
また遮音シートはかなり重く、四方に貼り付けるとOTODASU自体の耐荷重をオーバーしてしまう可能性があります。
その他気になること
防音室は機密性が重要で、副作用として換気や室温の問題があります。
OTODASUには換気用のスライド天井がありますが、換気口を閉め切った状態のスペース内で1時間以上の配信をすると、酸素濃度が薄まり軽い酸欠(息苦しい、ぼーっとするなど)になる可能性があります。またスペース内にPCなどを入れるとサウナ状態になる可能性があるので、息苦しさや暑さを感じたら、適度に休憩(ドア、換気口解放)などを挟みましょう。
終わりに
条件に合う人や強化まで考えている人には十分に検討の価値ありな製品だと思います。少なくても防音目的でだんぼっちを買うよりは良い買い物です。
お値段も手頃な価格に収まっていますので、もし合わなければヤフオクやメルカリで売るなどの選択肢もあります。
それでは快適な防音ライフを!
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