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VTuberがclubhouseで歌枠配信する方法

#clubhouse に可能性を感じて、1週間ぐらい機材調達とテストに走り回ってた音系VTuberです。有名YouTuberやVTuberが続々と参加してきて活動方法を模索している中で、私は歌枠ASMR配信などの新しい活動の場にできないか検証をしてきました。

結論

検証した結果、現状の仕組みだと歌枠は可能ASMR配信は不可能となりました。

歌枠については機材と楽曲の権利許諾についての知識が必要なので、後述します。また音声は強制的にモノラルになってしまい、ノイズキャンセリングがかかる影響で音像としてはLo-Fiな感じになります。
それはそれでラジオ的なサウンドを楽しめるし、環境としては優れていませんがVTuberの歌枠は演者とのコミュニケーション推しが歌っている姿を見るためのものという位置づけが強いため、活動場所としての価値はありそうです。また高音質で聞きたい方はこちらとYouTube等に誘導する形も取れるかと思います。

歌枠に必要な機材

iPad Pro(Type-C ポートのもの)と iRig Pro というオーディオインターフェースにて、音声接続をすることができました。またアダプタとしてType-A(iRig側) to Type-C(iPad Pro側)のアダプタが必要になります。
うまく認識されれば以下の Music Mode に切り替える案内が出ますので、Music Mode を選択してください。

名称未設定 4

BGMとボーカルのリバーブは別PCでMixした後、iRigのINに繋ぎます。返しとしてVocalがBGMを聞く必要があるので、ミックスした音声は別のミキサーに入れて、iRigのOut(ヘッドフォン出力)とMixする必要があります。

音量レベルがPeakをたたくと音割れでなく音声がプツプツと途切れるようなので、iRigのインジケーターが赤くならないレベルまでGAINを下げる必要があります。

clubhouseで使える楽曲

楽曲の権利(著作権)音源の権利(いわゆる原盤権)をクリアする必要があります。楽曲の権利についてはJASRACと利用許諾契約を結んだり、著作者に許諾をもらうなどがあります。原盤権については著作者が公開している音源を使ったり、利用許可の出ているアレンジ音源を利用する方法、自作する方法があります。

個人の方はピアプロやニコニ・コモンズにてボカロ系の著作者が公開している音源を利用することが多いかと思いますが、残念ながら clubhouse はテキストを書くことができない(部屋の Description でも 200 charactersまで)ため、著作者の表示義務のあるライセンスは利用できません。

とはいえほぼボカロ曲となりますが、探せば意外と有名な曲で歌えるものはありそうな感じです。参考ですが、私の持ち歌の中で表示不要のライセンス体系(2021/02/03時点)になっている楽曲は以下の通りでした。
表示できない分、前奏や間奏などでクレジットの読み上げが必要です。

KING / kanaria
テレキャスタービーボーイ / すりぃ
potatoになっていく
ジェヘナ / wotaku
flos / R Sound Design
マトリョシカ / ハチ
ドーナツホール / ハチ
好き!雪!本気マジック / Mitchie M
いーあるふぁんくらぶ / みきとP
君色に染まる / TOKOTOKO
1925 / とみー T_POCKET
メランコリック / Junky
フィクサー / ぬゆり
妄想感傷代償連盟 / DECO*27
妄想税 / DECO*27

使えそうで使えなかった機材

LightningポートのiOSデバイス(iPhone/iPad)+ iRig Pro
追加電源供給のないアダプタでは電源供給が足りないと言われます。
追加電源供給のあるアダプタで接続した場合、iOS上で正しく認識し、標準のボイスメモアプリなどで正常に動きますが、部屋に2名以上入った瞬間にマイク入力がデバイス標準のものとなってしまいました。

iOS Compliant Mode を持つオーディオインターフェース
ZOOM の UAC-2 にて検証しました。
iOS上で正しく認識し、標準のボイスメモアプリなどで正常に動きますが、部屋に2名以上入った瞬間にマイク入力がデバイス標準のものとなってしまいました。
iOS側は iPhone 8 plus, iPad, iPad Pro の組み合わせで検証しました。

配信の回し方

部屋落ち対策
clubhouseはモデレーターが0人になると部屋がなくなってしまいます。
不意の瞬断などで集めたリスナーが解散されてしまうのはもったいないので、常にモデレーターが2~3人いるようにしましょう。

リスナーとのコミュニケーション
clubhouse はコメント機能がないので、リスナーとは独特のコミュニケーションが必要になります。
・リスナーの名前を読み上げる
・歌い終わった後に挙手を受け付ける
 ・リクエストを受け付けるASMR配信

現状としては音声がモノラルになってしまう(通信帯域削減のためと思われます)都合上、ASMR配信は難しいと言わざるを得ません。将来的に Music Mode だけでもステレオ配信が可能になれば、実現は可能かと思います。

最後に

clubhouse 上で歌枠が実現可能であることを広げるために、しばらくは「VTuberが歌う部屋(BGMあり)」というような部屋名で毎日22時頃から部屋を立てる予定なので、よかったら聞きに来てもらえると嬉しいです。

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