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7日間の命も別に、

蝉が嫌いだ。というか、好きなところがひとつも無い。鳴き声の大きさ、グロテスクな見た目、死んでいるふり、全てが嫌だ。誰が好きなんだと思う。ミーンミーンという鳴き声に夏を感じるというのには共感するが、それだったらCDで良いじゃないか。何なら私がその役をやっても良い。時給1200円くらいで。

そんな蝉は、好き嫌いが分かれるほど夏の風物詩になっている。認知度だけで言えば、嵐よりSMAPより上だろう。小さい子からお年寄りまでみんなが知っている。そんな存在になったのには、どんな経緯があったのかと考えてしまう。

蝉が認知され始めた時、皆が最初に知ったのは「鳴き声の大きさ」なのか、「命の儚さ」なのか。その順番で印象がかなり変わってくる。

「7日間という短い命の昆虫」と知ってから「鳴き声の大きさ」に気付くのか、それとも、「鳴き声の大きい昆虫」だと鬱陶しがっていた存在が「儚い命の持ち主」だと知るのか。

後者の方が、蝉のことを好きになれる気がする。ヤンキーが捨て猫を助けるような、アレだと思う。前者は、好きになった人が店員に偉そうにしてた、みたいな
。良いギャップか悪いギャップかの違いだと思う。

まあ私は、「うるさい虫」が「7日間で死ぬ」と知った側の人間ですが、好きになることはなかったです。これからも、絶対。

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