ワンランク上

「久しぶりに集まろう」
私が主宰していたテニスサークル仲間と20年ぶりに集まった
私は2005年に社会人大学院に通うことが決まった
それ以来サークルの運営を後輩に引き継いでいた。
忙しくなり足が遠のいていた。
夜7時開始であったが1人を除いて10分前に集合していた。
テニスの試合に出場する時くらいの張り切りようだった。

私の通っていたテニス部は女性が多かった。
20年ぶりに集まったのは私を除いて全員女性であった。
集まった中の1人は、テニスをやっていた時から少し太ったりしていた。
それでも、話が始まると20代のころに戻ったかのようだった。
「現在の仕事は何しているの」という話になる。
その当時は、IT企業でバリバリやっているようであったが倒産したそうだ。
会わない間にいろんなことがあっていると感じた。

そんななか、遅れて1人やってきた。
大学歯学部に通っていたがその後国家試験に受かったと聞いていた。
テニスをしているときは、まだまだ見習いであった。
車を運転できないので、だれかが迎えに行っていた。
練習に着替えるのがめんどうくさいのか、いつもトレーナーであった。
店に入ってきたときに彼女はスタイリッシュなドレスを着ている。
シャネルかエルメスか。
ブランドがまったくわからない私でも、一目でわかる。
髪もさらさらしたこぎれいなカットにしていた。
確か旦那さんも同業の歯医者だ。
駐車料金が30分1000円かかる繁華街にも車で来くることがよくあるそうだ。
どんな車に乗っているのだろう。
20年間という年月の中で、ワンランク上の世界に行ってしまった気がした。

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