鴨川をつらつらと
京阪沿線と並ぶように京都市内を流れる鴨川。
京都の大学生ならだいたい行ったことあるんじゃないかなと。
晩年は京都で暮らしたいなと思ってるぐらいには京都が好きで、その中でもどこが好きと呼ばれると決まって鴨川と答えます。そこで、なぜ好きなのかについて改めて述べておきたいなと。(誰得なのかよくわかりませんが。)
① 日常が垣間見える場所
朝には散歩中の老人や、ランニングをしている中高生の姿が見えたり。
昼間は部活の練習をする人や、のんびり本を読む人がいたり。
夜は寄り添うカップルや、お酒を飲みかわす学生が。
季節や時間帯によって目まぐるしく変化し
色々な人の日常を鴨川は映し出します。
誰しもが日常のささやかな幸せを噛み締めている。
そうした光景を見ていると
悩んだり楽しんだりしながらも、皆生きてるんだなって。
当たり前のことなんですが、そんな当たり前を強く認識します。
自分もそんな光景の一部でしかなくて
どうせそんなもんやんやし、自分らしく生きたいなと
なんか吹っ切れたような気持ちに。
目的があって行動している時って、
そんな日常の些細なことに気づくことってあんまりなくて。
ゆったりした時間、うつろな状態でこそ感じることもあるのかなと。
それが自分にとっては鴨川でした。
② ノルタルジーを感じさせる場所
そもそも鴨川に限らず、川を見ると郷愁を感じるんじゃないかって話です。
自分は和歌山市の郊外で生まれ育ちました。
和歌山市の中心部には紀ノ川という一級河川が流れています。
高校に入ると、登下校のために川を橋で渡る生活が始まります。
また、ボート部に入ることになり、基本的に紀ノ川で練習をしていました。
学校帰りに橋を渡りながら将来をぼんやり考えたり、部活が終わってから川辺でくだらない話をしたり(上記の写真は部活帰りに撮った写真)
青春時代を紀ノ川とともに過ごしました。
青春時代の思い出が鴨川と重なり、
自分にとっては郷愁を感じやすい場所でもあるのかなと。
③ 思い出の詰まった場所
京都市内で生活をしていた/している方、
特に大学生には分かってもらえると思うんですが
河原町あたりで飲んだあと
酔い覚ましがてら、鴨川でゆったりすることが多くて
あの時〇〇君と語り合ったなぁとか。バカなことやったなぁとか。
学生時代の色んな思い出が鴨川には詰まっています。
こちらは学生時代を京都で過ごした方が書かれたブログ。
自分の思う京都感が書かれており、とても好きな文章です。
もしきみが幸運にも
青年時代にパリに住んだとすれば
きみが残りの人生をどこで過ごそうとも
それはきみについてまわる
なぜならパリは
移動祝祭日だからだ
アーネスト・ヘミングウェイ著、福田陸太郎訳『移動祝祭日』
というヘミングウェイの著作を引用しつつ、
多分この先僕は世界のどこに住んでも、その場所を京都と比べたり、
その場所に京都と通じるものを見出したりしながら、
ずっと暮らしていくのだろうと思う。
京都を上記のように表現したことが印象に残っています。
色んな思い出が積み重なりながら、
自分の中の鴨川や京都が形成されていく。
就職してからは、しばらく京都を離れることになりそうですが
帰ってきた時に、昔のあれこれを思い出しながら鴨川を楽しみたいなと。
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