続・奥武蔵について語るときに僕が語るとき(10月-毛呂山の峠をめぐる冒険編)

文句のつけようがない晴れた気持ちのいい朝。
僕は武州長瀬の駅に降り立った。この駅に来るのは4年ぶりだ。

僕はこの日、4年ぶりに仰天マラソンを走る。
4年前もこの日と同様に気持ちのいい晴れた日だったことをふと思いだす。

自分なりに、「いいレース」をするためには、多少の、いや、入念なイメージトレーニングが必要となることから、会場までの送迎バスの中で、改めてコースを思い出しながらレースのイメージを固める作業を行う。

4年前から、若干のコース変更があったものの概ね過去と同じコースを走ることになる(ちなみに変更されたコースの峠道も当然、知っているのでイメトレ問題なし、なぜなら僕はOkumusashi Urban Boy)

4年前の自分なら心拍計を胸につけて、最初の1キロを心拍160程度で入り、心拍170に達しないギリギリのラインでひたすら耐えしのんでゴールまで我慢してと思うが今の自分にそんな走りができるはずもなく(そもそも、心拍を図る機械すら持っていない)

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今回のレースは【トレイルラン】ではなく【マラソン】であるため
割と細かく目標タイムを設定してみた。

Aプランは1時間55分以内(1kmを5分で走れば大体このタイムになる)。
Bプランは2時間以内(1kmを5分20秒で走れば大体このタイムになる)。
Cプランは2時間5分以内(1kmを5分40秒で走れて大体このタイムになる)。

事前に行った10kmペース走において、多少のゆとりを持ちつつキロ5(ようするに1kmを5分のペース)で走ることが出来たことが、A~Cプランの設定根拠である。

作っては見たものの、走り始めてみないと分からない感覚的な部分が多くを占めるので(少なくとも、自分の、場合は)プラン作成なんてのは、ただただ、レースまでの時間を楽しむための作業みたいなものなんですけどね。

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レースの話に戻ろう。

会場についてからは淡々と準備を行う。受付やトイレの渋滞。更衣室の混雑といった煩わしさがないところが、小規模レースのいいところだ。準備を終えて、全ランナーのやや前よりのあたりにスタートポジションを設定した。前方だと飛ばし過ぎてしまうし、後方過ぎると走るとリズムが崩れそうだったので。

スタートして最初の1kmは少しゆっくり入った。タイムは5:12だった。気持ちゆっくり入るくらいの間隔で4分台であったら嬉しかったのだけど、そうはいかない。ただ、おおむね予想通りのペースであったんだけど。この感じだとAプランは少し厳しいのかなって思った。

2km地点からの緩やかな登りは5:40/km程度。峠の頂上付近の急登は歩きを混ぜつつも7分/kmかからないペースでクリア。そこからの下りで、後半の足を残しつつも加速する。そうするとだいたい4:30/km程度。

これが今の自分。


最後までペースを維持しつつ、かつ、最後にラストスパートが出来るペース。ここまでの8kmで今の自分の指針を作成することが出来た。

次の峠の登り下りでこれをもう1回繰り返す。そして、最後は残っている力を出し切る、それに集中する。ただそれだけ。

そこからは平坦3km(5:15/km)→登り2km(6:30/km)→登り下り1km(5:30/km)→下り2k(4:30/km)で2つ目の峠をクリア。ゴールに戻るまでの平坦な3kmを4:50/kmくらいまでペースを上げ、最後の登りは6:00/kmくらいかかってしまったものの登り切ってからの緩やかな下りと平坦な2キロ弱のロードを4:15/kmまで上げて(ラストスパート成功?)

結果、1:58:30くらいでゴールすることが出来た。

タイムについてはすごく(思った以上に)良かったわけではないけど、自分の力を余すことなくこの「23kmD±500」できれいに出し切れたので、そういった観点から満足することが出来た。

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タイムばかりの話になってしまったが、これはマラソンの話だ。そうなって仕方あるまい。というよりも、そうあるべきだと思う。そもそも、マラソンの話でトレイルランほどの面白い話なんて出来るわけもない。

レース中、さすがに走りながら会話を交わすことはなかったんだけど、同じくらいのペースでキツイ峠の登り下りを共有したランナーたちとは、言葉は交わさなくてもなんとなく通じ合えているかもなって思える方はいたし、彼らがゴールする姿、ゴール後にやり切ったすがすがしい表情をしているのを見れて嬉しかったりもした。

よって、毛呂山の峠をめぐる仰天マラソンは【僕】だけの冒険ではなく【僕】と【共に走ったランナー】によって語られるべき冒険なのである。

ただ、僕の冒険はまだ続く。
4年ぶりの仰天マラソンにおいて現在地を知った僕は1か月半後の目的地を目指して計画的に、コツコツとトレーニング進めることになるのだろう。

僕の目的地?
それはもちろん、ニューサンピアだ!

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