続・奥武蔵について語るときに僕が語るとき(11月-ショートレースで秩父界隈をめぐる冒険編)

秋真っただ中の11月中旬。
所沢駅から特急ラビューに乗って西武秩父に向かう。

ラビューに揺られて、のんびりと紅葉を眺めていると、これからレースを走ろうという気持ちは萎え、のんびりと紅葉の写真でも撮影しながら秩父散歩をしたい気持ちになってしまう。

やれやれ、ランナーにとって走らなくていい理由なんてものはそこら中に落ちているものですね。

西武秩父駅に到着するとそれらしき人たちがぞろぞろとラビューから降りてくる。それらしき人にレース前から引っ張ってもらい、駅からレースの起点となる羊山公園まで30分ほど歩く。

そうか、羊か。ここでも、羊なのか。
やはり僕らを繋ぐものは羊なんだね。

僕は羊山公園を歩きながら、同じレースを走っている相棒のことを考える。

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といいつつ、相棒の話は一旦おいといて、ダイエットの話をしよう。

8月の下旬から、僕はダイエットを始めた。
明確に開始した理由なんてものは当然覚えていない。多分だけど、練習後の成り行きだったと思う。

ダイエット方法は友人が勧めてくれた、毎日食べたものを記録、写真撮影し報告する「レコーディングダイエット」という方法を実践した。

また、走るばかりではなく、筋トレをすることがいいということを教えてもらったので、自宅や近所のジムに通って筋トレをしたりもした。

主に実行したのはこの2つくらいだが、徐々にではあるが体重は減少し、ダイエットを開始してから3ヶ月くらい経過したころには、全盛期に近いくらいの体重にまで戻すことが出来た。

そんな地道なダイエットもかいもあって、少しづつ、少しづつではあるが、僕は自分の目的地に近づいてきてる感じはしていた。

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そんな中で、行われた今回のレースの話に戻ろう。

時間に余裕をもって現地に到着し、気持ちの良い青空の下のんびりと準備をすることが出来た。

夜の辛い時間、相棒を励ますために持ってきたリコーダーを会場に落としてしまい、あたふたしたりもしたが、心を落ち着かせて、何とかスタートラインに立つことが出来た。

10時レーススタート。

レース開始から最初の2キロは公園内の舗装路を走る。わざわざ、公園内を下って、ぐるっと登り返して、また、スタート地点に戻ってくる。

やれやれ、まだレース開始から5分くらいしか経っていないのに、早くも登り返しで歩いてしまったよ。

スタート地点を通過して、少し走るといよいよトレイルに入る。割と前の方でスタートしたんだけど、ロードでたくさんの人に抜かれてしまったので、シングルトラックの渋滞に巻き込まれてしまったよ。

やれやれ、シングルトラックで前のランナーを抜かすのは苦手なんだよ。

トレイルを抜けると、短いロードと短いトレイルを挟んで4~5キロのロードが始まる。5キロは長いなぁと思い、自分に合うペーサー探しを始めるが、小刻みなアップダウンを繰り返すコースでは自分とペースが合う人を探すことが出来ず、仕方なく、自分でリズムを作って走る。

やれやれ、自分のリズムで走るのはほんとにつかれるよ。

たくさんの「やれやれ」を獲て、8キロ地点から、ようやっと本格的なトレイルの登りが始まる。

先日降った強めの雨と3時間先行してスタートした100k選手の影響で若干足元が荒れていて、油断すると滑るサーフェスではあるのもも、程よい勾配の気持ちのいいトレイルだ。

まだ序盤なので、飛ばしすぎず、とはいえ、ショートレースであることから楽はしすぎずなペースで淡々と登る。

登り終えると、芦ヶ久保方面に向かっての下り基調のトレイルが始まる。この区間では早くも1人になっていたので、道を間違えないように慎重に下る。

トレイルを下り終えると、再びのロードが始まる。

これが、また、長い。

道が微妙にくねくねしているので、次のくねくねの先がエイドかな、あっやっぱり裏切られた。なんてことを2~3回繰り返し、ようやっとファーストエイドに到着した。

(ショートレースということもあってか)前を走るランナーの半分くらいはエイドには立ち寄らず通過していったんだけど、僕は基本的にエイドの食べ物で補給をするのことが好きなので、ちゃんと、エイドに立ち寄って食べたいものを食べて、かつ、次の登りで食べたい食べ物を手に持ち、焦らず、お腹とそして心をしっかりと満足させてから出発するようにしている。

少し走ると、大野峠への登りが始まる。登り始めた時点で、予定タイム(Aプラン)よりも少し遅れ気味だったので、ここの登りは少しプッシュしてみることにした。いいペースの人が見つかったので、その人に引っ張ってもらいながら、この区間は割と頑張ることが出来た。

大野峠→丸山→県民の森エイドまでは、気持ちのいい稜線上のトレイルだが、ふかふかの落ち葉で足首をねん挫しそうだったこともに加えて、ハイカーさんが多い区間だったので、ひんやりとした秋風を感じながら、のんびりと走った。

県民の森森エイドから、横瀬町まではトレイルを一気に下るものだと思っていたのだけど、短いながらも割と急勾配な登りが待っていた(けっ)

3回くらい登って、ようやっと待ちに待ったトレイルの下りが始まった。

脚はまだ残っていたこと、気持ちよく、走りやすいトレイルだったことから一気に加速して、何人かをパスしながら気持ちよく下る。

そこそこ抜ききったところで、若いトレイルランナーに追た。そこそこいいペースではあったことに加えて、彼は抜かされるのを嫌がったので(多分だけど)、抜かすのを諦めて引っ張ってもらった。

その結果、先ほど抜いたランナーに追いつかれてしまったうえに、その後のロードで若い人や先ほど追い抜いたランナーにあっちゅうまに置いてかれてしまった。

やれやれ、レースって難しいですね。

トレイルの下りを走り終えると、行きと同じく4~5kmの長いロードからの短いトレイル→ロード→トレイルを挟みゴールへ向かうことになる。

この区間は先ほどのトレイルで抜きつ抜かれつだった方と「俺らロードが嫌いなんだよ同盟」を締結し、うだうだと話したり、離れたり、追いつかれたりしながら走った。

最後のトレイルでは先輩の方が余裕もあり、先に行ってもらっても良かったんだけどせっかくなんで一緒に走りましょうということで、一緒に走らせてもらった(話しながら走るにしては速いペースだなぁと内心思いながら(笑))。

こういうところがトレイルランのいいところですね。

トレイルを抜けて、ゴールまであと数百メートルの地点に、チームの仲間がわざわざ来てくれて、動画を撮影してくれた。

こういうところがチームに所属してて、いいなって思うところですね。

最後の数百メートルも無理にその1秒を削り出すようなことをせずに、あぁ今回も無事に戻ってこれて良かったなぁって安堵の気持ちに浸りながら、ゴールテープを切ることが出来た。

ゴール後は、割と疲れていたし、早く汗を流してスッキリしたかったので、早々に会場を後にし、近所の日帰り入浴施設までチームの仲間に送迎してもらった。

こうして、僕の11月のレースは幕を閉じた。

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ロードが多かったことや、短いレースだったこともあって、正直、山自体を満喫できたとは言い難い。

しかし、短いレースならではの駆け引きだったり、エイドのおいしいご飯を堪能出来たりと、レースというものに対してはおおむね満足することが出来た。

レースから1ヶ月以上たった今でも、一緒に走った方々をわりと覚えているし、いつかどこかのレースで(出来れば奥武蔵で)お会いしたいと思っている。

そして、レースの結果でいったら、良い結果だったと思う。10月以降に取り組んだ、坂道や体幹トレーニングの成果が多少なりとも実を結んだのかなと思った。

ただ、僕の冒険はまだ続く。
ロード率の高いショートレースで現在地を知った僕は、2週間後の目的地を目指して計画的に最終的な調整をすることになるのだろう。

僕の目的地?
それはもちろん、ニューサンピアだ!

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