音楽:「水曜日のカンパネラ」~華麗なる世代交代

「水曜日のカンパネラ」(通称:水カン)は2012年に活動を開始した、主演・歌唱(要はステージで歌ってパフォーマンスする人)「コムアイ」、作詞作曲「ケンモチヒデフミ」そしてディレクター「Dir.F」(CDのブックレット表記は先の二人の下に「上記以外、すべて」と表記)の3人からなる、打ち込み音楽(要はPCで作る音楽)の音楽ユニットでした。ステージに立つのはコムアイさんのみで、他の二人は顔こそ隠していませんが、ステージに立つことはほとんどありません(その必要もないし)。
そんな水カンですが、数年前にコムアイさんが脱退し、代わりに「詩羽(ウタハ)」さんが加入して活動を継続しており、一時音楽活動が鈍化して音楽シーンから忘れ去られた感のあった水カンですが、InstagramやTikTokの投稿に楽曲が多用されたのをキッカケにバズり、今再び音楽シーンで注目の的となっています。
そのバズった楽曲をご紹介します。

・水曜日のカンパネラ - エジソン:

※もう一つ最近の「詩羽さんの個性」が存分に発揮された曲があるので最後の方でご紹介します

---(ここからは、ご興味がありましたら)---
コムアイさん時代に、「桃太郎」という曲がバズったのをキッカケに一定の人気を得たのですが、近年は活動(楽曲リリース)が鈍化しており、ファンである私も残念に思っていました。

しかし、数年前に主演・歌唱担当のコムアイさんが脱退すると共に、代わりとして二代目の主演・歌唱として詩羽さんという、コムアイさんとは全くビジュアルもキャラクターも歌声も異なる方が加入しました。

その際、私はインタビュー記事などを読んだのですが、コムアイさんは表現の場や表現の仕方としての「(水カンでの)音楽」と、自身の求める「表現」が徐々に乖離してゆき、他の二人の「表現」の足かせとなっていること(要は音楽性の違い)を自覚し、コムアイさん以外の二人もそれを感じ取っていて、コムアイさんが脱退を申し出ても止めることは無かったようです。
コムアイさんの申し出を受けて、可能であればシームレス(解散という形をとらず)に活動を継続出来るように、後任探しがはじまったのですが、そこで白羽の矢がたったのが当時Instagramやその他の「表現の場」を模索していた音羽さんでした。バックステージの二人が、音羽さんと数回面会したのですが、たわいもない話に終始し、取り立てて音楽・ボーカル能力やダンス能力などのオーディション無しで音羽さんを迎え入れました。
その際重視した点は、
・一緒に仕事して楽しそうか
・自分の意志・意見を持っているか
であり、歌やダンスについては
・練習すれば誰でもある程度上手くなるし、我々の表現はそういったスキルを超越したところ(歌やダンスのスキルは二の次で、ステージに立って人を楽しませることの出来るキラリと輝く「何か」)にある、ということでした。

私は、音楽さえ良ければ(私の趣向に合えば)、他の要素(ビジュアル、ダンスなど)は割とどうでも良いと思っている人間なので、この交代で危惧したのは、歌声がコムアイさんと詩羽さんでは全く違う、という点でした。
私はコムアイさんの、何というか、角がなくつかみ所のない妖精か何か浮き世離れしているような、脱力感のあるフワッとした歌声が好きでした。
一方、詩羽さんは輪郭のしっかりとしたエッジのある歌声で、十分以上素敵ではあるのですが、良く言えば親しみやすく、逆を言えばよくある歌声であると感じました(加入後の既存曲の歌唱を観て)。

しかし、上記のように、水カンの魅力は単に歌やダンスが上手いというところだけにはなく、「主演」と呼称している通り、ビジュアルやステージでの振る舞い、さらにキャラクターや発言など、総合的な意味で「水カンの世界」の住人になって楽しんでもらうという点に魅力があると、私は(客観的な分析としては)思っていて、そういった点では、詩羽さんの抜擢には(ビジュアルやメディアでの発言を見てみるとたぶんご実感されると思うのですが)、かなりのポテンシャルを感じたので、再び売れる(人気を獲得する)日は遠くなく、遅かれ早かれそうなるだろうと確信していたので、バズった時も特に驚くことはなく、必然であったと思いました。

そんな新体制となった水カンが先日、EP(昔でいうミニアルバム)のCDが発売され、楽曲も詩羽さんのキャラクターや声質を意識してチューニングされた楽曲となっており、とても楽しい楽曲なので、一つピックアップしてご紹介します!

・水曜日のカンパネラ(MV) - 赤ずきん:

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