おっさんが初めてお菓子作りをした話 その3
さて、3日目はクッキーです。
次男が友だちといっしょに公園に遊びに行くと言ってたので
差し入れに行こうという魂胆です。
うむ、我ながらグッドアイディア。
しかしながら、言い換えますと
名アシスタントの次男くんが不在ということでもあります。
ま、よかよか。
今回のレシピは手抜きでホットケーキミックスを使います。
味はそのままのとココアとチョコチップ。
うふふ。
早速ココアパウダーとチョコチップを買いに行きます。
でも、いつも行く小さなスーパーなのに、どこに売ってるのか分からない。
はにゃ。
ウロウロウロウロ。
なんだか自意識が邪魔をして
店員さんに聞く気になれない。
なんとしても自分で見つけてやる。
ウロウロウロウロ。
そして、漸く見つける。
ほほー、このスーパーのこんな所に、こんなお菓子食材がうってるのねん。
新しい発見だ。
ココアパウダーとチョコチップをむんずと掴んでレジに行く。
ああ、そうさレジのお兄ちゃん、わしはこれからクッキーを作るのだよ、何か問題でも?
みたいなオーラを全身から漲らせて会計を済ませる。
で、家に帰ってパティシエ奥襟スタート。
このレシピは簡単だぜ。
「ボウルにホットケーキミックス、砂糖、卵、サラダ油を入れてゴムベラでよく混ぜます。」
ふん、楽勝、楽勝。
もう俺は3日前の俺ではないのだよ。
鼻歌なんかもしちゃうぜ。
あとはココアパウダーやチョコチップを入れたり入れなかったりして
クッキーの形にしたら、オーブンで焼いて終わりとでしょ?
よし、ではオーブンに焼くための天板を用意しようとオーブンシートを探す。
ありゃ。オーブンシートがない。
なんと昨日のバナナケーキで使い切ってるではありませんか。
あ、間違えた。
なんと昨日のバナナケーキで使い切ってるではあーりませんか。
これはピンチ。
奥襟部長、慌てて自転車に乗って、さっきのスーパーに逆戻り。
しかし、どれだけ探してもない!
ピーンチ。
続いて違うドラッグストアに行く、
ない!
いや、どこかにはあるはずだ。
探す奥襟部長。
見つからない奥襟部長。
難しい判断を迫られる奥襟部長。
うーん、仕方がない。
店員さんに聞くか。
よもやこのおっさんがクッキー作りのためにオーブンシートのありかを聞いているとは思わんだろう。
で、あのーっと聞くと、目の前を指さしてこちらにありますと。
ありゃりゃ。
これは違う意味で恥ずかしいわ。
ありがとうございます。
さっそくむんずと掴んでレジに向かい、
会計を済ませて帰宅する。
いやー、まいったまいった。
さて、元の工程に戻ろうかとクッキー君を見かけると
なんだかモチャモチャしてる。
あれ、ちょっと以前お会いした時と変わられている気が。
なんだか水っぽい。
この工程は、「粉っぽさがなくなったところで、生地を2等分します。」
なのだが、混ぜても混ぜても、粉っぽさが一向に無くなる気配がない。
なんじゃこれ。
めちょめちょめちょめちょ。
ピーンチ。
これはピーンチ。
何かが起きたぞ。取り返しがつかんぞ。ピーンチ。
こうなったらもうあの手しかない。
教えて奥襟部長夫人のコーナー。
奥襟部長夫人!どないしやしょ。
半泣き寸前の顔でお尋ねすると
奥襟部長夫人は冷静に「粉を足すしかない」と、おっしゃる。
マニュアル奥襟部長は、分量通りしたのに粉足すのの?と、不安に思うが、奥襟部長夫人は躊躇なし。
薄力粉をポイポイ入れて、これでどうかと。
奥襟部長、言われた通りに粉っぽさがなくなるまで混ぜてみる。
するとどうでしょう。
うまくいったではありませんか。
あ、間違えた。
うまくいったではあーりませんか。
ありがとう奥襟部長夫人!!!
ここから先は楽勝、楽勝。
なーんも入れずにプレーンクッキー。
チョコチップ入れてチョコチップクッキー。
ココアパウダー入れてココアクッキー。
ココアパウダーの量を間違えてマーブルっぽくなったけど
ま、それはご愛嬌。
うまく焼き上がりました。
そしてこれをもって公園へ。
皆んなで食べてね
子どもたちが群がる。
嬉しい、嬉しい。
お母さんたちは、マジで作ったんすか、マジっすか
みたいな感じ。
ふむふむ。
クッキーを置いて足早に立ち去る奥襟部長。
うん。満足。
チョコチップとココアパウダーはまだ余っているから
今度はまた違うの作ろうっと。
以上、おっさんが初めてお菓子作りをした話、三部作でした。