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ミニ小説100編 その⑤

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ミニ小説100編 その⑤
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#小説

誤解という呪い【短編小説】

心の震えへの誤解。 楽しさへの誤解。 成功への誤解。 「誤解?」 「誤解」 ただ、退屈なだ…

9

覚醒【短編小説】

ある日唐突に覚醒した。 「ん?」 唐突すぎて笑ってしまった。 浅香唯の「幸せの色」を聴き…

14

歩ける気分【短編小説】

昨日の帰り、バスが来るまで少し時間があった。 まだ夕焼け。 暑さも和らぎ心地良い涼しさ。 …

12

クレーム【短編小説】

クレーム電話。 上司に接客を受けたという人物。 非通知。 名乗らない。 けれど、どうしても…

10

変化【短編小説】

デパートの休憩コーナーにある、マッサージチェア。 15分300円。 結構隅々までマッサージして…

12

空よ。【短編小説】

ふむ。 そういえば、若い時に、とても親切にしてくれた「先輩」がいたなぁ。と思い出す。 「…

12

笑顔を【短編小説】

バスが混んでる。 ベビーカーに2歳ぐらいの女の子。 へへへッへッ。 と、時折笑う。 僕は一番うしろの席で、その様子をなんとなく、目に入れる。 と、隣の席の60代ぐらいの白髪でスーツの男性が、ベビーカーの女の子に手を振る。 「……」 女の子、笑うのを止めて、表情がなくなる。 白髪の男性、動きが大きくなっているのを気配で感じる。 「……」 女の子、ジーッと白髪の男性の方向に目を向けている。 白髪の男性、身体をクネクネ動かしてさらに媚を売る。 女の子、見るのをやめて、横で

インドアカレー【短編小説】

電車が事故で止まってるらしい。 僕は帰るのを諦めて、なにかしら適当なものを食べて、ネット…

14

あと一年【短編小説】

あと一年で山梨へ引っ越すことにした。 「そろそろ山に篭って、静かに暮らしたい」 と、妻が…

6

悩み。【短編小説】

まず、まず。 よく食べ、よく寝る。 少し、太らないか気にする。 気にして、また食べて。 寝…

4

異物【短編小説】

バス停まで数十mのところに、ネクタイを頭に巻いた中年男性が寝ていた。 酔っ払いだろう。 …

11

カレーなる浅香唯【短編小説】

黄昏。 漠然とした喪失感。 「……」 やる気が出なくて焦っている。 そういう気持ちは心地良…

8

縁も切れる【短編小説】

「……」 よく考えてみろと、言われて考えてみようと思った。 ネットで過去に数回あっただけ…

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評判のお店にて【短編小説】

妻とのランチ。 ネットで評判のレストランへ行く。 フレンチ。 「入れますか?」 「どうぞ」 思ったよりカジュアル。 一番安いコースが3000円。 たかっ。 二人ともそれ。 で、メインを妻がお肉料理、僕が魚料理。 「お飲み物は?」 「お水でいいです」 本当に酒は飲まないので水でいいのだ。 けど、ちょっと後ろめたい。 「かしこまりました」 と言った店員さんが、一瞬、白目をむいた。 ん? まあ、いいか。 前菜、スープ、パンと、その中年女性の店員さんがスッと、お皿