苦しみの共有ができない恐怖【短編小説】
「それって、結局無意味で遠回りで先のことを考えていないだけじゃないの? そんな冒険をするぐらいだったら初めから保険を持っておいた方が安心だし、逆に挑戦が出来たりするかもしれない」
なんて、上司が電話で話している。
誰とだ?
電話なので僕との会話ではない。
一方的に訊きながら、正論だけどなんかふわふわしている印象が拭えないんだよなぁ。
って、思いつつ。
「なぜ、それだけに集中しないといけないと思い込むのか? ほとんどの人が成功しない世界で、自分だけは特別と勘違いさせて、搾