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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」アルコニックス(3036) 2015/07/21

割引あり

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

    ◇銘柄研究 アルコニックス(3036)
    ◇コラム 安値から戻し切っていない銘柄もたくさんある

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◇銘柄研究 アルコニックス(3036)

 本日は、1981年(昭和56年)に日商岩井非鉄販売株式会社として設立され、2001年にMBO(=経営者による買収)を実施した、非鉄金属のエキスパートの専門商社であるアルコニックスを研究銘柄として取り上げます。

 本日の研究銘柄の第一候補としては、7月7日配信のコラムで以下のように書いた12のIT銘柄のうち、アドソル日進を研究銘柄にしようと考えて、準備してきました。

『12.アドソル日進

 a)一株利益予想 58.6円
 b)一株純資産 549.74円(2015年3月末時点)
 c)自己資本比率 53.4%

アドソル日進の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=3837&ba=9&type=3month

アドソル日進の2015年3月期の決算短信です。
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20150511/98d03t/140120150414439177.pdf

 これからの大きな需要増加があるために、今後の利益増加を期待して、ほとんどの銘柄のPERが高くなっています。しかし過去のバブル期のようにPERが100倍などというとんでもない数字にはなっていません。業績が伸びていけば容認されるPERの数字だと考えています。
 赤字のバイオ創薬企業の株価が高いのに比べれば、まちがいなく膨大な仕事が確認できているIT企業のPERは、まだ十分低いとも感じます。

 配当利回りや、配当優待利回りを考えるとシステナ、アドソル日進、NSD、キューブシステム、メガチップスなどがインカム・ゲインを目的とした投資対象としては魅力があると感じます。インカム・ゲインを得ながら、キャピタル・ゲインを狙える上記の銘柄群からもいくつか研究銘柄にしようと考えて、さらに調べています。』

(以上で7月7日のコラムからの引用を終了します。)

 ところが、ここ数日のあいだ動意づいていたアドソル日進は、7月17日
(金曜日)に前日比+300円のストップ高となって、1470円となってしまいました。

アドソル日進の直近の株価データです。
http://www.nikkei.com/markets/company/history/dprice.aspx?scode=3837&ba=9

 アドソル日進もギリシャ危機と中国株バブル崩壊危機のために株価を下げましたが、ジリジリとリバウンドしているので、チャンスだと考えて研究銘柄候補としましたが、7月7日の終値1107円から363円高と、短期間に32.8%も上昇するとは予想できませんでした。

 流石にストップ高した直後に、アドソル日進を研究銘柄にはできないので、次点の候補として考えていたアルコニックスを本日の研究銘柄としました。

 アルコニクスも、ギリシャ危機などの影響で、6月12日につけた年初来の高値2198円から大きく下落して、7月9日には1768円まで一気に430円も下落し、下落率は19.6%です。下げがきつすぎて、なかなかリバウンドできない状況でした。

 アルコニックスの株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=3036&ba=1&type=3month

 アルコニックスの直近の株価データです。
http://www.nikkei.com/markets/company/history/dprice.aspx?scode=3036&ba=1

 アルコニックスに関しては、7月7日の日本経済新聞に以下のような記事が掲載されたことにより、リバウンドのきっかけをつかみました。引用させていただきます。

『非鉄専門商社、アルコニックスの2015年4~6月期の連結営業利益は、前年同期比30%増の12億5000万円前後となったようだ。スマートフォン(スマホ)市場の拡大を背景に、電子部品用や電池用の金属素材などの輸出が伸びた。半導体製造装置に使う部品製造も堅調だった。

 売上高は5%増の510億円程度になったとみられる。電子部品材料の輸出は、スマホ用部品に加えて車載用部品向けも好調だった。円安も輸出を押し上げた。

 中国の景気不安に伴う価格の急落で、レアアースの販売は落ち込んだ。

 16年3月期通期の業績見通しは変えない公算が大きい。電子材料の輸出拡大で、レアアースや非鉄金属の価格下落の影響を吸収できる見込みだ。』

(以上で日本経済新聞の引用を終了します。)

 アルコニックスは、日本経済新聞に過去1年間ほどの間に2回ほど業績に関する記事がでたことがあります。そして、その内容は、その後に発表されたアルコニックスの業績を、ほぼ正確に予測しました。

 そのために、今回も株価が反発したのだと考えていますが、まだ株価は直近の高値からの下落の60%を取り返した程度です。

 『半値戻しは前値戻し』という相場格言があります。
 大きく下げた相場が戻りに転じた時に先行きを占う相場判断の見方のひとつです。下げ幅に対し、半分程度戻る場合を「半値戻し」と呼び、材料がなくて単純に戻る自立反発(下げ幅の3分の1程度の戻り)と区別して使います。

 7月16日までのアルコニックスの株価は3分の一程度しか戻すことが出来ないでいました。

 しかし、アルコニックスの出した年初の上期営業利益の業績予想を半分(⇔4半期に修正)にして+1億円プラスした日本経済新聞の業績予想の記事だけで、一気に株価の半値戻しを達成したのは、投資家にアルコニックスの業績に対する期待が存在していたのだと考えました。

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