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#84 アルバック(6728) 2020/11/04


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       山本潤監修「グロース銘柄発掘隊」 第84号

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 山本潤氏率いる「株の学校」で、山本氏をはじめとする講師陣の薫陶を受けた精鋭アナリスト達が、成長株を発掘し、その内容を詳細にレポートします。

 毎週火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。


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               【目次】


■はじめに
■アルバック(6728) 客員アナリスト 虎之助
■モデルポートフォリオ 更新!!


※本メルマガの一部内容を、億の近道へ抜粋の上掲載することがございますので、あらかじめご了承下さい。


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■はじめに


 NPO法人イノベーターズ・フォーラムのご協力により、客員アナリスト
たちのレポートの有料メルマガを提供しております。

 グロース銘柄発掘隊の隊長は東京2期生です。
 彼の指揮下、隊員たちは、週に一本のフルレポートをディープに発表します。
 どれも個性あふれるレポートです。

 投資家のみなさまにおかれましては、ぜひ、グロース銘柄発掘隊の客員アナリストたちへのご支援をよろしくお願い申し上げます。

(山本潤)


【発掘隊より】

 グロース銘柄発掘隊は、5年から10年以上の長期投資に耐えると思われる銘柄を発掘し、調査分析するものです。配信した銘柄は短期的に株価調整する場合もありますが、対象企業の前提条件が変化しない限り、問題ないと考えます。
 配信した銘柄は定期的にチェックしております。もし、前提条件が変わったりビジネス環境が大幅に変化した場合には、あらためてフォローコメントを配信致します。


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■アルバック(6728)

【企業概要】

 同社は東証1部、時価総額約1860億、真空薄膜形成技術の会社です。

 成膜は金属膜(配線材料)や誘電体(絶縁材料)をディスプレイ基板や半導体ウェハー上に成膜するわけです。誘電体などの役割は絶縁及び近年では電気抵抗を下げるなどの役割を担います。
 金属配線も縦タングステン、アルミ、チタンなどの多種多様な材料が様々なところに使われます。歴史的には金属と誘電体のスパッタリングや蒸着工程で存在感を示してきた会社です。近年はlow-kなどの新材料が次々と導入され同社の活躍の場が広がりつつあります。

 みなさまもご存知のように水は0度C以下で氷(個体)0度C以上で液体、100度Cで沸騰して気体になります。スペースシャトルが飛行する宇宙空間くらいに圧力を下げる(真空にする)と沸点がものすごく下がり常温の水は一切蒸発して温度が下がって氷になり、さらにその氷は蒸発します。つまり真空中で水分が気化して乾燥が行われるのです。
 同社は真空技術で日本を引っ張ってきた先駆者でもあります。いわば、真空の専門家。真空ポンプなどの真空領域については知見のある企業です。


 半導体、電子、コンポーネント、FPD(TFTトランジスタ配線やITOなどの透明電極、低分子有機ELの有機材料の蒸着)などの主力商品の他に真空技術を使った色々ある商品を以下に紹介します。

 アルバックの主戦場は液晶/有機ELなどのディスプレイ向け製造装置と半導体電子部品の製造装置です。しかし、目を凝らせばいろいろなところに同社の製品は活躍しています。

 例えば「さばトバ」はアルバックが開発した食品です。真空食品乾燥技術を活用し既存の方法では不可能だったソフトな食感を残したまま旨味を凝縮、かつ長期常温保存を両立した鯖の加工品です。

 ソフトクリームが出来るまでフリーザーやコーンにアルバックの技術が活躍。スパッタリング膜でPVCレコードの高品質、高音質化を実現します。

 また、製剤業界にも深く関わってます。
 真空の応用技術として、温度コントロールがあり、微妙な温度コントロールあり、薬の研究開発から製剤まであらゆる場面でサポートしています。真空凍結乾燥は医薬品、インスタント食品のフリーズドライ製品などがあります。


 ◆歴史


 アルバックは1952年8月23日、当初、日本真空技術株式会社という名前で設立されました。社名が示すとおり、日本の産業界ではほとんど活用されていなかった真空技術を標榜する会社です。
 設立のきっかけは、米国のNRC社リチャードモース社長からの手紙でした。
 その手紙を受け取ったのが井街仁(アルバック第2代社長)で、真空技術の事業をされるなら支援を惜しまないというものだったといいます。
 研究所の研究員であった井街は義弟にあたる石川浩三に相談しました。そして相談を受けた浩三は会社を設立するとなると自分たちだけでは無理なので父親である石川芳次郎に相談しました。

 芳次郎は京都電灯の副社長や京福電鉄の社長などを歴任し、多くの公職にも就いていた。また、芳次郎は京都帝国大学で電気工学を修めた技術者でもありました。井街たちの真空事業で日本の産業に貢献することに深い理解を示し、全面的にバックアップを約束し財界人6名の強力な支援を得ました。
 最終的に石川芳次郎(京福電鉄社長)、石川善夫(大沢商会社長)、松下幸之助(松下電器社長)、藤山愛一郎(大日本精糖社長)、山本為三郎(アサヒビール社長)、弘世現(日本生命社長)が100万出資して発起人になりました。

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