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東京アースダイバーツアー上野編

中沢新一さんのアースダイバーを片手に東京を散歩するのが目下最高の楽しみだ。

東京というと坂が多いイメージがあるが、上野のより東側のいわゆる下町はどこまでもどこまでも真っ平らだ。平すぎて、ここはつくばかと勘違いするくらいの少し親近感笑。

浅草あたりから上野までずっと歩くとわかる。ビル以外に遮るものはない。
渋谷や西麻布などの坂の多いところと気の流れが全く違う。

上野駅に到着する。東口側の地名は入谷だ。

谷の入り口。そう、ここは谷だったのだ。6500年前の縄文のころ。

上野駅の反対側に行くと突然の坂が出てくる。6500年前、東京の下町は海の底だった。縄文海進だ。地球の温度が上がり海岸線も上がったのだ。

坂を登ると、上野の西郷さんの銅像のある公園がちょうどそのときの海岸線のキワだ。

西郷さんは陸のキワから縄文の海を眺めているのだ。

東京の地形の面白いのが、このキワのエネルギーだ。ここにはやはり巨木がたくさんあり、神社仏閣がある。

昔の人は、そのキワのエネルギーを知っていてここで踊り、祈り、祭り、命を頂いたのだろう。

上野の森美術館も上野恩賜公園も寛永寺ある。アートのインスピレーションも湧くし、恩賜る場所でもあるのだ。

だいぶ要約すると、縄文の地形は、いまの僕らの地域ごとの文化や習慣の形成、さらには気質にまで影響しているというのが、中沢新一さんのアースダイバーの仮説だ。

確かに谷が多く西麻布あたりの禍々しい感じとか、下町のあっさりしたベタベタしない感じとか、何となくそうかなと思えるところがある。

西のキワでいうと、神谷町の愛宕神社らへんの感じも、上野のこれに近い。

そして、今も人々はここで踊り狂い、飲み狂いする。 花見だ、花見だと称して。

宴のあとのこの汚さよ。最高に気持ちの良い場所にゴミを平気で捨てていく。

上野しかり、日比谷公園しかり、ホームレスの方々のほうが土地に対して礼儀正しいし、豊かさのなんぞやを知っていると思う。

花見なんてもうやめてしまえばいいと、心の底から思う朝だ。

20190401

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