セグウェイと士農工商とまちづくり

セグウェイを公道で使うことの最大の効用だとぼくが思うこと。

これはセグウェイをつくばの公道で使って気づき、丸の内で三菱地所に使ってもらって確信したものだ。

士農工商という言葉があるが、江戸時代、商人より農民の方が位置付けが高かった。
お金儲けするよりお百姓さんのほうが誉れ高き職業だった。

今の時代、好きなことをして儲けられるのは少数で、彼らは好きにやったらよろしい。

むしろ生きるために苦しくても必死に働かなきゃならない人たちこそに光を当てなくちゃならないと思っている。大抵の人がそうだと思う。

そういう人たちが誇りを持って仕事に取り組んだり、モチベーション高く日々の仕事をできるようになるべきだと思っている。これは経営者や首長の大事な仕事だが、テクノロジーを使ってそれを助けることができたらそれはテクノロジーの使い方としてはとても良いと思う。

丸の内で三菱地所が警備会社や清掃会社の方々に委託して、セグウェイを街なかでのコンシェルジュサービス時の乗り物として使ってもらって一年が経った。
明らかに現場の方々はいい方向に変わっていった。

警備会社の若い子が、外国人に道を聞かれて英語で一生懸命答える。

普段は無口な子達が、街中でたくさん話しかけられる。最初は戸惑うがいつのまにか堂々応えている。

テレビにも取り上げられて、それを見た親子が翌日にセグウェイ見たいってわざわざ来て写真を撮られる

普段なら三菱の上層部の人たちから目も止められないような現場の子達が、その偉い人たちから頑張ってるねと声をかけられたこともあったそうだ。

彼らはいまやほんとに目を輝かせてセグウェイを使っている。

テクノロジーが少しでも現場の人たちが誇りを持って仕事できることをお手伝いしている。

これはつくばでも起きたことだ。防犯サポーターのおじさん達はセグウェイ使って半年もしたら子供達の人気者になり、NHK や海外メディアの取材にも堂々と応えられるようになっていった。

三菱地所の偉い人達は、そういうことが街のバリューを上げることだと分かっている。現場のあらゆる仕事をしている人たちまでもが生き生き仕事してる街はいい街だと。

ホテルオークラでは清掃スタッフまでもがとても元気が良くてステキなように、現場の隅々の人たちまで誇りを持って仕事している「場」はとても美しく、居心地が良い。

ちなみにアメリカの警察官が今でもパトロールでセグウェイ使い続けている理由も同じことだ。

士農工商。一般の多くの人たちが誇りを持って仕事ができる社会をもう一度作っていかなくちゃならない。

もちろんセグウェイはツールのone of themでしかないけど、ロボットや多くのテクノロジーをそういう方向で使える社会を目指したい。効率や生産性をあげるだけがテクノロジーの役割ではない。

できないはずはない。もともと日本はそういう社会だったのだから。


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