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ブランド

僕は1年の浪人を経て現在の大学に通っている。授業を聞くのが苦手で、授業の内容はほとんど覚えてない僕が、予備校の先生の話で覚えている話が1つある。

漢文の先生が仰っていたこと。

例えば、とある企業に見学をしたいと申し出るという状況があったとする。それを申し出たのが社会人だとしたら、それは普通のことに近い。しかしそれが浪人生だった場合。その企業の方は社会人よりもその浪人生に興味をもつだろう。なんでこの浪人生はうちに興味を持ってくれたのか、しかもなんで連絡してくれたのか。企業の関心度合いはその浪人生の方が高いだろう。

ここでこの先生が仰いたかったのは、「浪人生」という肩書きは、企業の関心を引くほど価値があるものだということである。浪人生というものが珍しいというのもあるかもしれないが、それを抜きにしても「浪人生」という肩書きの価値は高い。それだけでブランドになるということだ。

これを聞いた僕は、自分に自信を持てた。浪人生と聞くとどうしても「受験に失敗した人」というネガティブなイメージになってしまうが、社会からみたら、浪人生というのは非常に価値の高いブランドなんだと。そして、浪人生の間は自分の肩書きを大切にしようと思えた。

先生のおかげで苦手だった漢文も多少はできるようになったが、それよりもメンタル面で僕らを励ましてくださり、本当に素晴らしい先生と出会えたなと思った。

先生も仰っていたが、僕は「大学生」というのも立派なブランドだと思っている。実際、大学生というだけで、様々な現場におじゃますることができているし、僕に凄い関心を持ってくれる。それだけ社会は大学生に関心があるのだと身をもって体感している。

しかし、大学生という肩書きでいられるのにも限りがある。限りがあるからこそ、「大学生」という肩書きをブランドとして大切にし、大学生の間にしかできないことを謳歌したいと思う。

最後に、大学に合格した際、漢文の先生に「またご縁があればよろしくお願いします!」と言ったところ、

ご縁は努力で作り続けるものだよ!

と仰った。どこまでいい先生なんだよと思った。

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