グローバル化について
グローバル化とは、基本的に、国と国、地域と地域、都市と都市のあいだで、モノやサービスが自由に動くようになることです。
グローバル化が進むにつれ、
国家内だけでなく、国家間同士で取引ができるようになりました。
これまでは関税障壁が国家のあいだにありましたが、
GATTとWTOが主導した多国間での交渉によって、
関税率が大幅に下がり、非関税障壁が大幅に緩和されたのです。
こうして
消費者は世界中で生産されたモノを売り買いできるようになりました。
※十分な所得さえあれば。
一方、生産者は困りました。
これまでは隣のライバルだけと競争していればよかったのに、
今日からは全世界の生産者と競争しなければならない。
競争の結果、
グローバル化が進行している世界では、
勝者と敗者に分かれました。
勝者はいわゆる多国籍企業。
販売できる市場(顧客数)が増えたので、
利益は莫大です。
国際基軸言語となっている英語を母国語とし、
高い科学技術をもつアメリカの企業が有利なのは当然。
もう一つの勝者は、
安い賃金で働いてくれる多くの労働者を抱えている発展途上国。
実は多くの発展途上国では、
低賃金で働く労働者がいながら、
モノをつくっても国内市場で売れませんでした。
なぜならば、
国民所得が低かったので、消費者がいなかったのです。
ですが、
グローバル化によって世界中でモノを売れるようになれば、
発展途上国の低賃金の労働者を使ってモノを生産し、
豊かな消費者の住んでいる先進国へモノを販売することができます。
敗者についても話しましょう。
国境によって保護されてきたローカル企業です。
性能面では多国籍企業と、費用面では発展途上国からの輸入品と競争しないといけなくなりました。性能面、費用面のどちらかで突出できない場合は、市場から撤退せざるを得なくなります。そうしてどんどん撤退していき、雇用が減りました。
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