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お香の調合 ~五大香について~

日本のお香の始まりは、インドのお釈迦様が沈香を焚かれていたことがルーツになります。

希少な沈香の香りをより引き立てるように、上質な生薬を組み合わせて調香するようになり、お香の調合が始まりました。

仏教伝来と共にお香の調合技術も中国より日本に伝わり、日本独自の香りの調合へと変化していきます。

その、調合技術の考え方の中に古来より伝わる「一木五香説」というものがあります。

当時の中国では、調合によく使用されていた香原料は沈香の木(一つの木)から全て取れるものとして「沈香木から五つの代表的な香原料が生じる」と考えられており、一木五香説が生まれました。

一木五香説とは、樹木の中心を沈香として四つの主要な香原料を配置したもので、文献によっては若干の香原料の種類の差があり、当時の様々な文献に残っています。

ChatGPTによる一木五香説のイメージ

実際に中国の愈益期の書信に以下の文が残っています。

「一本の樹木の根が栴檀(白檀)、節と幹が沈香、葉が藿香、花が丁香(あるいわ鶏舌)、脂が薫陸である。」
引用:山田 憲太郎(1978)「香料: 日本のにおい (ものと人間の文化史 27) 」法政大学出版局

他の文献や口伝によるものでは、五種類のどれかが以下のような香原料に入れ替わるなど様々です。

◇様々な文献により五大香に挙げられている香原料の種類
 桂皮、詹糖香、木香、甘松、鬱金、安息香、薫陸、乳香、龍脳、楓香など

実際お香には決められた五種類が必ず入っている訳ではないのは、五大香の原料が定まっていないことからも窺える。

ただ、香りの調合はバランスが大事であり、一つの植物(木)をイメージして、根・節と幹・葉・花と美・樹脂を一体としてバランスを考えることは重要であり、日本のお香の調合の考え方のベースになっています。

また、五大香の考え方が生まれた背景から、調合には欠かせない香原料であるのは間違いありません。
若干の香原料の違いはあるにしろ古来より伝わる秘伝のお香の調合技術であることが窺えます。

近年では精油などの様々なオイル香料を使用したお線香も増えていますが、オイル系の香料と椨のみのお線香と違い、ベースに五大香の考え方があり、焚き終わりの香りまでを意識した漢薬の効いたお香はやはり良いものだなと感じる次第です。

最後に私自身が五大香を感じる”おすすめ”のお香を紹介致します。

■五大香を感じる”おすすめ”のお香の紹介
 御線香 ことのは アソート
 御焼香 伽楠香

■余談
トップ画像はChatGPTで作った「お香の木のイメージ写真」です。
途中の画像もChatGPTで作った「一木五香説をイメージした絵」です。
なんだか、すごくスピリチュアル的な画像になってしまいました。
また、ChatGPTにお願いすればこの記事も良い感じに自動で書いてくれるのかと淡い期待を寄せながらChatGPTに記事を依頼しましたが、誤り箇所やイメージした内容とは程遠い内容になりました。専門性があるネットにも殆ど載っていない情報には向かないのかもしれません。
ただ、ChatGPTに投げる命令のキーワードや文書等のセンスや的確な指示により出来上がるものは大きく変わります。
感想としては、記事を書く補助的なツールとしては時短になりますし、使っていて楽しいですし、素晴らしい機能だなと感じました。


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