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手紙のトモダチ

コロナ対策で自粛すっかりふぬけな休みの日。
いかがお過ごしでしょうか。

私は元気です。いや、元気ではないかもしれません。先程うっかりあけた手紙箱の中の手紙を
何通も読み返してしまいました。

それは家に保管してある手紙のごく一部で、
年賀状や暑中お見舞いとは別で、誕生日カードやなかなか会えていないトモダチからの手紙でした。手紙って、まあなんて素敵なんだろう。

何年も会っていない、電話もしていないような関係でも、SNSのつながりにより今日お昼ごはんに何を食べたかを知っていたり、今はどんな事に興味があり熱を注いでいるのか、どんな新しいティーカップにお茶をそそいでいるかなどコト細かくトモダチの日常を知る事ができます。

上京と同時くらいのタイミングでスマホを持ち始めたこの10年で、距離も時間も感じないネット上のトモダチ付き合いが現実世界と平行するようにはじまり今も続いています。

手紙、ポケベル、ピッチ、ガラケー、スマホ。
トモダチとの交流手段は時代ごとに進化していきました。けれど、歴代のどの時代にも消滅することなく続いているのが唯一手紙です。

この先、進化して手の中に超何でもできるマイクロチップを埋め込みスマホが不要になる日がきても、そのチップの埋まった手で、手紙だけは書いていたいなと思いました。


便箋を選び、言葉を選びながら文字を書き、切手をはり、毎度郵便番号調べたり。久々だと切手のやハガキの値段も変わっていたり。できた手紙をポストまで持っていく。
ネットなら一歩も動く事なく全て寝転んだまま指先ひとつ秒で済むのに、手紙という物は改めて
はっきりくっきりめんどくさいですね。

こんな面倒なことを以前は何とも思わずに、頻繁にやっていたのかと思うと、今の自分よりあの頃の私は随分と時間のあるエレガントな暮らしぶりだったのでは?と貴族だったのかもしれない気になってきました。

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