下垂体腫瘍 大学病院受診

週明け早々に大学病院に電話をかけると4日後に予約が取れたので、紹介状を手に突撃します。

この大学病院は比較的近所にあり、重症妊娠悪阻(なんか重いつわり)と出産で2度入院しているので、勝手知ったるという感じです。

診察券は持っていますがはじめての科の受診になるので、初診受付に紹介状と診察券を出します。
紹介していただいたのは、脳神経外科の主任教授で下垂体を専門にしている先生。
一介の主婦がそんなすごい感じの先生に相手にされるんでしょうか……。半信半疑で診察を待ちます。

待っている間に血圧を測ってと言われたので測ってみると、上が148。ちょっと見たことない数字です。
ド緊張してるからかな……?(これ伏線です)

はじめてお会いする大学病院の先生は、脳神経科クリニックの先生同様、ゆっくりとこちらの目を見て話す落ち着いた方でした。
ちょっと気になったのは、患者用の椅子と先生との距離が2メートルくらい離れていることです。
ソーシャルディスタンスでしょうか……。

「溶けきのこさんの腫瘍はもう視神経を圧迫しているので、第一選択は手術になります。下垂体の腫瘍の中には薬で小さくなるタイプのものもありますが、溶けきのこさんの腫瘍は残念ながらそうではない。放射線をあてる化学療法もありますが、化学療法では腫瘍は小さくならず、視神経を圧迫したまま固まってしまいます。
今手術をしなくても何か大変なことになるというわけではありませんが、様子を見てから手術して回復に何ヶ月もかかるよりも、すぐ手術をして早く回復したほうがいいと思います」

クリニックの先生もおっしゃってましたが、やはり手術以外選択肢はないみたいです。

「溶けきのこさんの目は坂道を下るように悪くなっているわけではなくて、同じ状態がしばらく続いた後にガタッと悪くなる。そしてその状態がまたしばらく続いた後に、再度ガタッと来る。こんな感じで悪くなっていってるわけです。だから、次のガタッが来る前に手術できるといいですね」

「手術は鼻から入って、副鼻腔を通じて行います。これはとても安全な手術で、何か覚悟してくださいとか、こういう怖いことが起きますよとか、そういうのは一切ない。下垂体の横には大きな動脈が走ってるので、そこを傷つけると命にかかわりますが、普通にやっていれば……普通というか、まあ、絶対ないです。とにかく丁寧にやればまったく問題ない手術ですので、安心してください」

「丁寧にやれば問題ない手術」というのがどの程度のものかちょっと素人にはわかりませんが、たしかにすごく丁寧に確実にやっていただけそうな話しぶりで、やはりこちらの先生も話を聞いているだけでかなりの安心感があります。
クリニックの先生も同じことを言っていましたが、下垂体の手術は、頭の手術の中ではとても安全な類のものであるようです。

手術の合併症としては嗅覚障害が主で、重篤な合併症はまれとのこと。
嗅覚障害も、遅くても3ヶ月でもとに戻るそうです。

質問はありますかと訊かれたので、私の腫瘍、簡単なやつですか?それともめんどくさいやつですか?とダイレクトに訊きたかったのですが、なんとなく聞きづらかったので、「下垂体の腫瘍と聞いているのですが、私の正式な病名は何でしょうか?」とふんわり訊いてみました。

すると先生はなんとなく嬉しそうに、

下垂体神経内分泌腫瘍、という名称です。古い呼び方では下垂体腺腫とも言います」

と紙に書いて教えてくれました。

下垂体腺腫。
進研ゼミでやったやつ!
たぶんあんまりめんどくさくないやつだ!

インターネッツでだいたいの情報は収集できていたので、今日はこれだけ確認したかったんです。

あとは手術日を決めて、今日は入院手続きと検査をいくつか。
次にこの病院に来るのはもう入院のときです。
何だかあっけないな〜と思いつつ、とにかく丁寧にやっていただけそうなので、まず問題ないだろうと安心して帰途につきました。

帰宅してインターネッツしたところ、どうやら私の主治医になる先生は脳神経科クリニックの先生の大学の後輩に当たるようです。
初診の一介の主婦が大学病院の主任教授にいきなり紹介されるか???と不思議に思っていたのですが、謎が解けました。

夫もいま別件で総合病院に通っているのですが、「医者の世界はコネコネだよ」と申しておるので、最初にどのクリニックにかかるかというのはけっこう重要な点なのかもしれませんね。


ところでこの受診の直前に、6年間飼っていたキンカチョウのおこめちゃんが突然死しました。
仕事の休憩時に夫がカゴ越しにおこめちゃんを愛でていると、突然今まで聞いたことのない大きな声で何度か鳴いて、そのままポテッと倒れてしまいました。

夫がなんどかかるく揺さぶってみましたが、目を覚まさず。
ほんとうに冗談みたいでした。
そこそこの年ではありましたが、体調が悪い様子もなく、何か隠れ疾患があったか、何かの中毒死なのかなと思います。
解剖すれば死因はわかると聞いたことがありますが、それはしたくなかったのでそのままお見送りすることにしました。

悲しいというより冗談みたいだし、タイミングも今!?という感じで、今でもなんだかよくわからない夢みたいです。
病院から帰ってから火葬の予約をして、週末には家族全員でお見送りしました。
とにかく怒涛の2週間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?