『返校 -Detention-』 プレイ感想

プレイ時間:4時間

1960年代、戒厳令を敷かれた暗黒時代の台湾が舞台の本作。
私の中での台湾は、1回友達と旅行に行った時のイメージしかなく(人が優しい、女の子が可愛い、タピオカ安くて美味い)歴史も不得手の為、内容について理解が及ぶか若干の不安がありました。
怠惰さゆえ、事前勉強もそこそこに「思想や言論の自由が剥奪されてたんだな」というクソヤバ知識のままプレイしたのですが、結果、大・満・喫。
プレイ後、あらためて返校の背景となった「白色テロ」について下記URLにて確認し、さらに理解を深められて…教えてくれた友人に感謝。

とはいえ、事前情報皆無でもゲーム内のシナリオは充分理解できるし、楽しめます!
(重いホラーを「楽しむ」かどうかは人それぞれだけども…)

【ホラー演出について】

本作は「静」タイプのホラー。
所謂、ガラスパリーン!ゾンビバーン!怖い顔アップジャーン!のような、
「驚かす」系の恐怖はないので、深夜、電気全消し+ヘッドフォンでも叫ぶことなくプレイできます!できました!
ただし、恐怖を限界まで煽りにくるSE、演出により、精神がじわじわと侵されていく感覚は紛れもなくホラー。霊が襲い掛かってくる描写が怖いとかではなく、ただひたすらに雰囲気が怖い。見てこのゲーム画面。廃校、最高。

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【システム】
ポイント&クリック系ADVがめちゃくちゃ好きなので、色んなところを調べたい欲も満たせるし、学校歩き回るのも楽しい(怖い)し、難易度がまた丁度いいんだよな〜〜。
攻略サイトに頼るほどでもない、かといって優しすぎもしない。ある程度自分で考える余力を残す作り。ストレスフリー。
逃げるか息を止めてやり過ごすしかない敵の描写とか、横スクロールとか…初代クロックタワーが好きなら多分好き。

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【ネタバレ雑感】
プレイヤーキャラであるレイの置かれている時間軸があやふやになってからが本番。
3〜4章で徐々に明かされていく真相…特に過去篇の自宅描写は震えた。素直に怖いよ……何だよあの肖像画……
印象に残ったシーンでいうと、やはりあの突然のカラフル映画館。なぜいきなりあの色合い…と思ったけど背景を知ると切なさしかないわ。
ストーリーの真相を知ってからあらためてゲームの全容を思い返すと、あぁぁ無間地獄〜〜〜って頭を抱える他ない。3章から霊が出なくなった理由もなるほどすぎて。
………しかしこれ、もしかしてトゥルーエンドに入るまで、あの子バッドエンドずっと繰り返してた?亡霊化して尚、自殺して、あの講堂で目を覚まして…ってルートを延々と繰り返してた?その度に記憶なくして?だとしたら怖すぎる&寂しすぎる。

【総括】
「返校」で検索して、そのゲーム画面にピンときたらやるしかない。絶対裏切らない。
プレイ時間も4時間と忙しい人間には丁度いいし、ホラー部分も怖すぎないし、セーブもこまめに出来る親切設計。
個人的には操作性の良さと、高すぎない難易度が小気味よくプレイ出来て快適でした。終始べた褒めしてしまうけど、実際何も悪いところが思いつかない。映画も見たい。
以上、「返校」のとりとめない感想でした。楽しかった!

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