『駄作‐ヌイアワセ‐』プレイ感想

【ブランド】CYCLET
【原画】憂狐
【シナリオ】桜庭丸男
【プレイ時間】約6時間(本編)+1時間半(アフターFD)

ストーリー

どこにでもいるような仲良し5人組、しかし彼らはとてつもないバケモノだった・・・(公式OHPより)

グロゲー界では有名な「駄作」について、随分前からほしいものリストに入れっぱなしだったのですが、本作の流れを汲んだWaffleの新作『蛇足』の発売を知り、プレイを決断。
私が購入した『駄作‐ヌイアワセ‐』は、『駄作』本編と、アリスちゃんルートのアフターシナリオである『駄作〜アリスとクロエ、結ばれる日〜』の2作のセットです。
プレイ時間は6時間(本編)+1時間半(アフターFD)と短いながらも、濃厚なグロと狂気が詰まっている為、1ヒロインクリアごとに油マシマシ特盛ラーメンを一気食いした後くらいの高カロリーな精神ダメージを食らいます。良い意味で。
以下、キャラ別感想(ネタバレあり)です。

アリス

性格激悪な腹黒少女。
五体満足でない妹を裏で虐めまくって、最終的に顔に大火傷を負わせる姉、あまりにも最悪すぎる。
アリスちゃん(主人公の呼び方に感化されがちなので、つい「ちゃん」付けしてしまう)は実際めちゃくちゃクズですが、『親に放置された きょうだい児』ゆえの愚行…と考えると、両親がアリスちゃんへのケアを疎かにしすぎたのが一番の問題なんですよね…。
本編唯一のヒロイン生存エンドなので、ほっとしつつも、エンド後は由貴一人でアリス&クロエを介助していくことになるのか…?など漠然と心配していたのですが、『アリスとクロエ、結ばれる日』のEDを見て呆然。
そりゃそうか…あれだけ好き放題、止血もせずに切りまくってたらそうなるか…。アリスちゃんとクロエがトムジェリの如く仲良く喧嘩してるの可愛かったのにな…。
全ルートに言えることなんですが、由貴はヒロイン亡き後、どうやって生きていくんだろう。手に入れた束の間の幸せを享受したまま、自殺を選ぶんだろうか。気になる。

そまり

元虐め被害者。
そまりルートの各シーンは生理的に受け付けない箇所がいくつかあり、所々薄目でプレイ(虫は勘弁してくれ…)
そまりの傍若無人っぷりはアリスちゃんに負けず劣らずのなかなかのゲスなのですが、この子も結局被害者だったわけで、諸悪の根源は「そまりを過去レイプした男たち」なのは明白。あの事件のせいで、そまりの全てが捻じ曲がってしまったことを考えると、気の毒ではある。
・・・気の毒とは言え、やりたい放題のそまりにいつ由貴が反撃してくれるのかを若干期待していたのですが、結果、そまりルートの由貴はただの思考停止した犬で終わってしまったので、そこは少し残念。
確かに由貴としては何も判断・決断せず身を任せる状況は楽だったんだろうなぁ…いや、身を任せるにしてもそまりのプレイは度を越えていたけれども…。
そういえば、そまりルートのアリスちゃんは何していたんですかね。そまりと由貴が付き合うなんてことになったら全力で潰しにかかりそうだけど…。
気持ちを切り替えて別の人生を歩んでいたのだろうか。
『アリスとクロエ、結ばれる日』でもそまりの暗躍が垣間見れて、彼女の図太さに安心しました。華愛美、逃げてー。

華愛美

元虐め傍観者。
辛い・・・・・・・身体的に罰することでしか、彼女が解放される道はなかったのだろうか・・・・。
というか(推定)JC時代の華愛美、あまりにも無感情すぎんか?善悪の区別がつかない、のレベルを遥かに超えているの、伏線かと思ってたけどそういうことではなかったらしい。
虐めている事実を認識していなかった(悪気はなかった)とはいえ、結果自殺者を出した壮絶な虐めに加担・傍観した罪はどこまで裁くべきなのか…。
同じ目に合わせればいい?
加害を反省していれば、本人が幸せになっても許される?
センシティブすぎて判断が難しいし、どう感想を書いていいかわからない…。
華愛美が全て納得してあの罰を受け続けていたであろうことを考えると、ある意味彼女にとっては最高のハッピーエンドなんだろう。
いきすぎたプレイになる一歩手前辺りが、一番好みな展開でしたね。
ビジュアルも中身も好みだったので、普通のエロゲーで清らかに出会いたかったよ、華愛美…。

性別:枢(可愛い)
枢が薬漬けになった経緯はわかるけど、そこに至るまでの諸々をもっと見たかった…。
そまりも華愛美もある意味仕方ないと思える結末だったけど、枢は生きて幸せになってほしかった。彼女に罪があるとするならば、薬の売人であったことくらいで、直接人を傷つけているわけではないので…。
『アリスとクロエ、結ばれる日』でも、ヤクザに好かれていたので、そっち方面のツテを上手く捌ければ、裏世界でビッグになれる素養はある…と思う。どうにか太く長く逞しく生き延びていってほしい。性的な意味ではなく。
枢ルートの某シーン、いくらガンギマリ状態で痛覚シャットアウトしているとはいえ、最初の穴創出の時点で、そもそも出血多量で逝ってしまうのでは…?とヒヤヒヤしながらプレイしておりました。
あと、枢が男に「戻」る時、とてもよかったですね。声が太い。どうせなら男バージョンの枢を犯してみたかったけど、それは枢の意思に反することになるだろうから、なくて正解なんだろうなぁ。
「駄作」キャラの中では一番純愛でした。幸せになってくれ。

雑感

『駄作』は、主人公含めたヒロイン達が被害者であり加害者であるところが最大のポイント。

虐め加担者は何をもって裁かれるべきか?
虐め被害者の復讐はどこまで許されるのか?
犯罪、薬物に手を染めた人間の成れの果ては幸せなのか?

…といった、ヒロイン達の抱えるセンシティブな問題を、主人公が寄り添い平和的に浄化…するわけではなく、限界に達したヒロインが行き着いた「わたしのかんがえたさいきょうの物理的解決」に奈落の底まで付き合う主人公・・・そんな話でした。
とは言え、主人公もヒロインに負けず劣らずな生育環境、且つ、身体+精神に支障をきたしていることから、いずれのルートでもめちゃくちゃ順応性が高い。
各ENDも、本人達にとっては(ほぼ)「超ウルトラハッピーエンド」なので、「みんなが幸せそうだからきっとそうなんだろう」と思考停止してしまいました。
ここまでメリバど真ん中なストーリーを追うのは久しぶりだったので、とっても楽しかったです(思考停止による突然の語彙力低下)

・・・これは余談ですが、初回ルートで披露した由貴バーサーカーモードを各ヒロインルートでも見たかったです。
アリスちゃんへのSTK行為発覚シーンや、亡骸を傍らに夜な夜な会話するシーンなど、由貴の粘着質でスリラーな恐ろしさは初回ルートだけで眠らせておくのは勿体ないと思うので…。

次回、『蛇足』を続けてプレイするか、はたまた別のゲームをするのかで迷い中。
以上、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。ではまた、次回のゲーム感想で…。


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