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クソ専業を切るまでの話2

これは半年前に出会ったクソ専業を切るまでの話である。
クソ専業はBEGINのボーカルに似ていた為、ここでは比嘉と呼ぶ。

パンク編

という訳で第2章パンク編である。
あれから妙に懐かれてしまったのか、比嘉から毎日のようにLINEがくる。
内容はほとんど比嘉の稼働報告だ。ハナハナオンリーなのではっきり言ってまるで興味がない。こちらが既読スルーをしても送り続けてくるのだ。
そして彼と出会った店舗の特日に朝一から行ったある日、店舗前で声を掛けられた。比嘉である。
何度でも言うが私はホール内での友達が欲しい。この時はまだ声を掛けられ嬉しかった。比嘉は同じ専業仲間の前川(仮)と居た。
初めて明るい所で立ち上がった比嘉を見たが、チビでデブだった。
なんでも彼らはよくこの店舗でノリ打ちをしているらしい。
ハナハナ専業とノリ打ちなんて私なら絶対に嫌である。
一緒に並んで色々と話した。2人とも40歳らしい。比嘉は
「こうみえてもう40なんすよwww」と言ってたがどうみても45の風貌であった。汚くて小さい小太りのオジサン達という印象であった。
私はタバコを吸わないが、二人が吸うので喫煙所まで付き合ったが、比嘉は前歯が腐っていた。口臭の原因はこれだったか。

さて、この日の公約は”特定末尾が全5.6”というものである。
これぞ正に人海戦術がものを言うイベント。比嘉と前川がいるので百人力である。私は新ハナビ、比嘉はハナハナ、前川は抽選が悪くチバリヨリセ狩。
1時間置きに比嘉が私のもとへ来て、末尾予想をする。
「1か3か8ですね!」とドヤ顔で報告してくるが、3つも出せばどれかしら当たるのである。見事に店に翻弄されていた。
そもそも根拠を訊くとハナハナとジャグラーの合算しか見ていなかった。
専業???
一方前川は「リゼロの末尾〇が240で当たって弱ATやった」
「番長の末尾〇でパンダ谷が出てた」等非常にそれっぽい。
うん。組むならこいつだ。
前川は開店後2時間で対象末尾を当てていた。これぞ専業。
しかし軍団・専業が常に徘徊しているホールなのでわかった時にはもう遅い。全て押さえられていた。
結局私のハナビも対象外で、その日は3人とも負けた。

そんな日々を何回か繰り返した頃に私はあることに気が付いた。
比嘉が勝っているのを見たことがない。
その店は当時ハナハナ天翔が13台と導入数も多く、大事に扱われていた。
特日には対象末尾外でも2~3台は高設定が入っているような状況であったが、彼はとにかく負けていた。比嘉に訊くとどうやら9連敗中らしい。
9連敗ともなると流石に下振れでは済まない。
私なら根本的な立ち回りを見直す。
私はというと、その店舗は新ハナビが8台あり、特日は設定2がベースで5.6が2~3台あるとった環境だったのでまぁ勝てた。勝てたといってもハナビなので「負けない」という表現の方が正しいかも知れない。
「ハナビは甘いからいいですよねw」とよく比嘉に言われたものである。
比嘉にもハナビを全力で進めたが、目押しが出来ないのと光り物以外は打たないとの理由で断られた。

そしてどうやら前川とのコンビも解消したようである。
比嘉が負けすぎて前川に切られたのかと思いきや、コンビ解消を打診したのは比嘉の方で、比嘉に理由を尋ねると「前川は見た目がキモいから嫌い」と衝撃の回答をいただいた。流石にこれには笑ってしまった。
どっちもキモかったが、一般人100人にどちらが見た目がキモいかのアンケートをとったら74:26で比嘉に軍配が上がるだろう。

前川とコンビ解消後も比嘉は絶不調で、現在15連敗中と連絡が来た。
続けて「今日の夜電話してもいいですか?w」と恐怖のLINE。
正直嫌だったがネタになるだろうと了承した。
電話の内容を端的に言うと、資金がパンクしたのでお金を貸して欲しいとのことだった。
これには流石の私も驚いた。
40歳にもなってそんな状況になるなんて前代未聞である。
少なくとも今まで私の周りにこんなだらしない人間は居なかった。
初めての人種である。
他に借りれる人も居なく、消費者金融もブラックリスト入りで借りられないらしい。
そもそも私がスロ専業をやるなら最低でも300万円は用意してからやる。
それだけあればどんな下振れにも対応可能だし、精神的にも余裕が出る。
3ヶ月下振れが続くようなら立ち回りが間違っているので、手順を見直すかすっぱり諦めるべきである。
大分年上である比嘉にそんな説教も入れつつ一応いくら貸して欲しいのか訊くと「3万あればなんとか」だそうだ。
なんでも先週居酒屋のバイトに受かったらしく、給料前借りが出来て来週には必ず返せるとのこと。
1ミリも信用できないのである。
「流石にこの関係性で3万は貸せない」と断ると
「じゃあこの土日を凌ぐのに3000円貸してくれませんか?月曜には軍団稼働が入ってるんで9000円入るんです。そこから必ず月曜中に返します!」と。

ザ・ノンフィクションである。
LINEのやりとりをそのまま載せようとも思ったが、恐らくこれは本人も見てる可能性が高いのでやめた。
そして3000円なら面白いから了承し、あげるつもりで振り込んだ。
手数料が330円とられて少しイラっとした。金曜の夜の出来事であった。


そして月曜日、比嘉から「3000円振り込みました!」とLINEが届く。
確認すると本当に3000円キッチリ振り込まれていた。
昔何かの番組でクズ芸人の岡野陽一と鈴木もぐらが言っていたが
お金を借りる際、ATM手数料・振り込み手数料は必ず借りる側が持つと言っていたのを思い出した。それが借りる側のせめてもの仁義だと。
その仁義すらない比嘉である。この時点で切りたいメーターがグンと上がったが、まだ切らない私は菩薩である。というかホール内での友達が本当に欲しかったのである。

次回ランチ編へと続く。


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