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クソ専業を切るまでの話3

これは半年前に出会ったクソ専業を切るまでの話である。
クソ専業はBEGINのボーカルに似ていた為、ここでは比嘉と呼ぶ。
沖縄出身の40歳である。

ランチ編

比嘉と知り合って約2ヶ月、ついに奴はパンクをした。
ハナハナ朝一100G以内はチャンスと本気で言っていた専業の末路である。
暫くはパチスロを封印してアルバイトに精を出すようだ。
金が無くなったから働く・・・正常な思考である。
いや、40歳は金が無くなる前に手を打つべきなのだ。
その日暮らしの様だが私には前回貸したのを最後に、金輪際カネの無心はしないと約束した。

資金がなくてハナハナが打てなくなったはずの比嘉であるが、変わらず毎日私にLINEが来る。前に自分でも言っていたが本当に友達が居ないようだ。
何でも比嘉は大の電車嫌いらしく、バイト先に行くために乗る電車が耐えられないそうだ。沖縄に電車はないから無理もないかと思ったが、もう上京して10年は経つはずである。
駅でサラリーマンとよくぶつかるそうで、そのたびキレているそうである。
比嘉「なんや貴様コラァ!?って言うと大体ビビって逃げますwwwww」
と嬉しそうに報告をしてくるが、ただの無職の不健康チビデブである。
恐らく雄の中でも最弱の位置にいるが、サラリーマンとは背負ってるモノが違いすぎて相手にされてないだけだとわからないのか?いや、わからないフリをしているだけなのか?やはりキ〇ガイは最強なのである。
ちょいちょい昔悪かった話や喧嘩自慢を40歳にもなってしてくるのが段々と苦痛になってきていた。

そんな比嘉だがバイト先の女性に恋をしたらしい。
長い専業生活を続けて、ちょっと社会に触れたらこれである。
なんでも相手は年上の45歳シングルマザーで高校生の息子がいるようだ。
何故か女性に対し積極的な比嘉は意中の相手と月末に2人で食事に行く約束を取り付けたようだ。その行動力はなかなかやる。
比嘉はやたらと自分のトークスキルには自信があると言っていた。
びっくりするぐらい話が下手なんだけどな。
比嘉「恋っていいですよwww恋してますか?wwww」と調子こいたLINEが来た時はぶっ〇そうかと思った。
残念ながら比嘉の殺人的な口臭の前では全ての恋が消滅するだろう。
毎日聞いてもいないのにその女性との職場でのやりとりが報告され、落とす自信に満ち溢れていた。

そして月が変わり、比嘉からLINEが来る。
バイト代が入って打ちに行けるから明日いつものホールで会いたいとのことだった。そもそもそこが特日で行く予定だった私は了承した。
朝抽選ギリギリに着くと、先に並んでいた比嘉は私に気付き列を抜けてまで隣にきた。
とにかくこいつは朝一緒に並びたがるのだ。
私はこいつと一緒に並ぶのが嫌だった。理由は2つ。
1つ目は比嘉はいつも並び中、大きい声で
「バジリスク」を「バカリスク」
「カバネリ」を「バカネリ」と呼びディスる。
その2機種を打っている層が馬鹿みたいな奴ばかりらしく
「ぴったりのネーミングでしょwwww」とドヤっていた。
流石はトークスキルに自信ニキ。抜群のセンスである。
2つ目は単純に口臭が不快。
しかし既に列を抜けて隣に来られた為回避不能であった。
約一か月振りに会った比嘉に例の女性とどうなったのかと訊くと
比嘉「でーじ最悪さぁーあのクソ女!!」
と方言丸出しでキレていた。
なんでも比嘉はその性格が災いして、職場で孤立してしまったようである。
そこで味方でいてくれると思っていたその女性も一緒になって比嘉を悪く言ってきて、食事の約束をキャンセルされてブチ切れてそこのバイトも辞め、系列店に異動するハメになったようだ。
何故そこまで孤立したかと言うと、職場の今までの仕事のやりかたに口を挟んだり、休憩中にずっと仕事内容の愚痴をこぼし続けたり、自分がミスをすると先輩の教え方が悪いと堂々と言ったそうだ。
100-0である。それでも比嘉は自分に非がないだろうと本気で思っていた。
天晴れ。社会不適合者の見本である。
こうして比嘉の恋と社会復帰は秒で終わった。
収入がなくなるので、軍団の打ち子を始めたようである。
打ち子とはどんなものかと尋ねると
・日給9,000円(交通費なし)
・休憩なし(昼飯抜き)
・スロットなら9,000回転ノルマ
・いくら出しても臨時ボーナスなし
といった奴隷のような環境であった。
そんなのするくらいならちょっと目押し練習して設定1で102%↑の機種を打った方が金銭的にも健康的にも良いと思ったがそもそもタネ銭が無いのであった。
話は戻っていつものホールの末尾特化の特日、比嘉は相変わらずのハナハナで、私はハナビが取れずにバラエティにあるツインパに座った。
比嘉は軍資金が1万円しかなかったらしく、12時前には全て飲まれフラフラしていた。私のツインパはチャンス目Bからの青7やカバンから黒BARといった設定差が大きい所を引けていたがATに入らずなかなか伸び悩んでいた。
ダラダラと打っていたら比嘉がこちらにやってくる。どうやら私とランチに行きたいようだ。
まだ高設定の可能性が高い為一度断ったが、なぜか比嘉もなかなか引き下がらない。そんなに私とメシが食いたいのか?
実はずっと前から比嘉にご飯行きたいと誘われていたが面倒臭いので断り続けていた。結局あまり断りすぎるのも申し訳ないので、後ろ髪引かれつつもこのツインパに見切りを付け、比嘉に押し切られる形で退店し一緒にランチに行くことにした。
いきなりだが私はランチをかなり重要視している。
メシを食わずに回す専業達が本当に信じられない。
鍛えている私にとって飯を食うことは人生を良くすることなのだ。
この日のランチはステーキの気分で、このホールに来たら毎回行く洋食屋があったのだが、ランチにしては少々値が張る。
1万円で軍資金が尽きた男と一緒だったので、泣く泣くガストへ向かった。
あれだけ執拗にランチに誘ってきたのだから積もる話があるのかと思いきや、比嘉はずっと画面の割れたスマホでボートレースに興じていた。
いくら買ったかは聞かなかったが、とにかく興奮していて方言だらけで何言ってるか全然わからなかった。
金がないはずなのに比嘉はハンバーグとデザートのパンケーキまで食べていた。汚い歯で口ヒゲに生クリームをつけていたのが印象的であった。
結局比嘉はほとんど私と会話せず、終始ボートレースに夢中になっていた。
何故ランチに誘ってきたのだろう?
比嘉の生活費を心配して、最初は奢ろうと思っていたが割り勘にした。
こうしてクソつまらないランチは終わった。
後でデータを見たら私の打っていたツインパが対象末尾台だったらしく、そこそこ出ていた。勿論捨てた私が一番悪いのだが、この時は比嘉がしつこくランチに誘ってきたせいで捨てた・・・と思ってしまった。
しかもランチもクソつまらなかった為、切りたい度が80%まで来たがまだ我慢した。
なぜなら何度でも言うが私はホール内での友達が欲しかったから。

次回居酒屋編へ続く


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