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レゴ魔人(エピソード6(最終話):「レゴーは、怪獣じゃなくて、魔人」)

前回までのお話し
突如街に現れた大きくて色とりどりの怪獣。首から上がないことに気付いたレッコ姫と街の住民たちは、この怪獣がそれぞれのパーツを組み合わせて作られたものだと知り、チームを作って怪獣のパーツを分解して顔を作った。そして、レゴーと名付け、話せるロボットとして改良した。

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街にエルジィジィのアナウンスが流れます。

エルジィジィ 「街の皆様、明日どうぞ城の前の集会広場までお集まりください。また、お越しになれない方は、ぜひコスモTVをご覧ください。集会は、明日の午後3:30からとなっております。」

街の人々 「なんのことだろう?」「あの怪獣のレゴー、壊れちゃったのかしら?」「あのレゴーっていう怪獣、最近見かけない気かするけど・・・。」「もしかして、レッコ姫が結婚とか!?!?」

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コスモ121年11月02日

パパパパーン♪と音楽の音が街に響きました。そして、広場にはレゴーとレッコ姫がいます。

レッコ姫 「皆様、お集まりいただき、ありがとうございました。レゴーの件です。街の優秀なエンジニアの技術と努力により、レゴーがお話しできるようになりました。まだ、完ぺきでスムーズな会話ができるわけではありませんが、レゴーは学び、上達していくことが可能です。」

ギギギギー。 音を立てて、レゴーがうなずき、

レゴー 「ミナ、サン、アリガ、トウ。ミナサ、ン、ニ、アエテ、ウレシイ、デス」

街の声 「ウワー!!!!!!!」「レゴー!!!」「すごいわぁー!!!」「しゃべってる!!!」

レゴーの名前を呼ぶ声、拍手が街中に響き、歓喜の声で溢れました。

レッコ姫 「皆様、レゴーはお話しする度に、そして、経験を積み重ねるたびに学びます。私は、レゴーを街の住民として迎え入れ、街の番人の一員として採用したいと考えています。城では、エルジィジィはじめ、エンジニアの皆さんが一丸となり、レゴーに教育を施しているところです。レゴーにどうぞ、温かい言葉をかけてやってください。そして、街の一員として迎え入れていただければと思います。」

ギギギギーと音をたて、レゴーがお辞儀をすると、またまた拍手が起こり、祝福のムードに包まれました。表情がないレゴーですが、心なしか嬉しそうに見えたのでしょう。街の子どもたちが一斉にレゴーに駆け寄り、

子ども達 「レゴー、お友達になろうよ!」「一緒にお勉強できるの??」「肩にのって、お散歩に行っていいの???」「遠くまで見える?」

一斉に話しかけます。

レゴー 「ヒトリ、ズツ、オネガイ、シマス」

すると、子ども達は笑い、街も笑いに包まれました。街は、レゴーが話せるようになったことを喜び、祝福ムードに包まれていました。すると、その時、

レゴー 「アブナイ!ミチ、アケテ クダサイ!」

ピピピピー!!!!クラクションが響き、登場したのは、レゴーのパーツで作ったカラフルな、屋根がない、あの車。

レッコ姫 「ご覧ください。これは、レゴーを開発するのと同時に進められていました。レゴーのパーツで作った車です。なんと、エンジンもレゴーのパーツです。パーツが足りず、屋根を作ることができませんでしたが、今後、街では、同類のパーツを製造し、車の開発を進めることとしました。」

またまた、街は歓喜の声で溢れます。そして、一日中街には子ども達の「レゴー!!」という声、そして、街中の祝福する声で賑わったのです。

*********半年後*********

レゴーが話せるようになり、車そしてパーツの開発、製造をはじめてから半年、レゴーがTV出演し語りました。しかも、全国放送です!

レゴー 「私は、ずっと山の中で、家族の帰りを、まっていました。」

MC 「家族というと?」

レゴー 「私を作っていた、人たち、です。ヒッロ・ボウさん、の、チーム、の、人たち、です。長かった。」

MC 「待っていた間、どう過ごしていたのですか?」

レゴー 「私、の、そばにあった、パーツ、を、私にくっつけて、組み立てて、まっていました。ずっと。。。でも、来ません、でした。だから・・・」

MC 「探しに出たのですね?」

レゴー 「心配、でした。パーツを、くっつけて過ごしていた、から、大きくなって、いました。でも、私、の、大きさには、気づき、ませんでした。街を、怖がらせて、ごめんなさい、と、思って、います。」

MC 「今では、2M50CMとだいぶ小さくなりましたね。今では、街は、あなたのパーツで家が建てられ、車も製造され、だいぶカラフルな街になりましたね。」

レゴー 「街の、みなさん、が、私を小さくして、話せるように、してくれました。感謝、して、います。街のみなさん、のことが、大好きです。ありがとう。」

MC 「ここで、レゴーのパーツで製造された車を紹介しましょう。どうぞ。」

ププップー!

クラクションの音とともに、カラフルなオープンカーと製造したエンジニア、エルジィジィが登場しました。

エンジニアA 「これは、街のエンジニアの知恵を結集させて作りました。エンジンもレゴーのパーツです。現在は、同様のパーツも作られ、車の開発と製造を街をあげてやっているところです。」

エルジィジィ 「レゴーのパーツの製造は、街をポップな雰囲気に変身させてくれました。家も彼のパーツで建てられ、車も。そのおかげで、元気な気分になれる!と訪れる方々も増えています。レゴーと受け入れてくれた街の人々、そして、エンジニアの方々、街が結束したおかげで、街の活性化につながりました。」

MC 「とてもポップな街ですね。」エルジィジィ 「私たちの街へレゴーは恐ろしい怪物、怪獣として現れました。しかし、今では街をカラフルでポップ、エネルギーを呼び起こさせるものに変えてくれ、私たちはレゴーの魔法だと言っています。」

MC 「レゴーは、怪物ではなくて、彼の色で元気にさせてしまう、魔人だったのですね!」

ギギギギー

レゴー 「魔人、は、いい、ことば、ですか?」

エルジィジィ 「魔人とは、通常を超越した能力をもった人に使うんだ。間違いなく、君は僕らの街と人々を活性化させた、魔人なんだ!もちろん、我々にとっては、いい言葉だよ!」

そういって、エルジィジィは笑い、レゴーを触りました。

ギギギギギー

レゴー 「それは、嬉しい、です。はやく、街の、みんなに、いいたい。アリガトウ。」

*********レッコ姫の日記*************
コスモ122年11月19日
レゴーが、全国放送の番組に出演しました。テレビで言われていたのは「魔人」という言葉。レゴーは、レゴというパーツで作られた魔人、レゴ魔人だったのですね。結果的に、街を元気に活性化させてくれた能力を持つ魔人。気に入りました。レゴを魔人に変えたのは、レゴー自身と街の皆の結束だったのですね。ヒッロ・ボウさん、あなたのチームが完成できなかったロボットに、再度、寂しい思いはさせません。彼で街がおびえるという状況にもさせません。あなたが、作りたかったロボット、魔人として完成させました。

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(追記)読んでいただき、ありがとうございました。楽しすぎて、広がりすぎて、最終話に到達できるのか心配でした。ただ、姪っ子とレゴで遊ぶたび、内容は変わっても、魔法で幸せにするというのが毎回の結末。大好きなプリンセスストーリーの影響でしょうか。とても楽しく制作させていただきました。ありがとうございました。

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