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腕立て伏せが一度もできない!?

年を重ねるにつれて疲れやすくなり。

寝ても回復しにくく、何なら朝から節々に重さを感じる。
原因には食生活も含まれますが、主に運動不足……血の巡りの悪さから来るものです。
解消するために「とりあえず腕立て伏せでも」と思い立ち、地面に手をついてはたと気付く――

一回もできない!?

まさかの衝撃的事実に慄く人も少なからず居るのではないでしょうか。
しかしたかが腕立て伏せと侮るなかれ。
簡単で誰もができる一般的なトレーニングに思えますが、実は色々な筋力が必要で高負荷なのです。

正しいフォームで行う腕立て伏せは、体重の約6割の負荷が掛かります。
たとえば60kgの人だと36kg。70kgだと42kgの重量を両腕と胸で分担します。
要はそれだけの重さのベンチプレスを持ち上げているのと変わらないわけですね。
手持ちのダンベルなどと比較すると、その負荷の大きさがわかるかと思います。

高負荷だからといって諦める必要はありません。
では、腕立て伏せができない理由は何なのでしょうか。
考えられるのは以下の三つ。


1:負荷の大きさ

さて、腕立て伏せは体重の6割ほどの負荷が掛かります。
これは同じだけの筋力を持っていても、支えるべき体重のせいでできたりできなかったりすることになります。
たとえば100kgの人にもなると60kgもの負荷が掛かる計算です。
健康を目指して運動を始めようとしたら体重のせいで運動ができない、なんて本末転倒ですよね。

一旦、腕立て伏せのことは横に置いて、別のトレーニングから始めてみましょう。
もうすでにお分かりの通り、腕立て伏せって高強度・高負荷・高難易度の筋トレなんですからね。

2:体幹の弱さ

ところで腕立て伏せの姿勢って覚えがあると思いませんか?
そう、簡単そうに見えてしんどいと名高いあの『プランク』です。

腕立て伏せの姿勢のプランクを『ハイプランク』なんて呼んだりしますが、本質的には同じモノです。
つま先と腕だけで身体を支えることになり、姿勢が不安定になります。
このとき体重を支える腕だけでなく、姿勢を維持するのに胴体……体幹の腹筋・背筋などが必要です。
少なくとも腕立て伏せを一回する間はこの姿勢を維持しないといけません。
まずは30秒を目指して姿勢を維持させることを目標にしてみましょう。

3:筋力不足

身体を支えることができたら、次は大きな負荷を受ける胸と腕の筋力です。
常に自重を支えている足とは違い、日常的に腕や胸を鍛えるのは難しい。
小型化・軽量化が進む今日、重い物を運ぶ機会がどれほどあるでしょうか。
これはもう、衰えているのではなく『生活に筋力が必要がない』だけです。
人の身体は環境に適応し、筋力を落としてでも省エネ化に走ろうとするので、悲観することはありません。

逆に少しでもトレーニングを始めればすぐにでも成果が見えるはずです。
ほら、日常的に重い荷物を運んでいる引っ越し業者の方には、筋骨隆々なイメージが強いでしょう?

さぁ、三つの課題が浮かび上がりました。
当初の目的は、減量・筋力増強を目指しての筋トレ(腕立て伏せ)でしたよね。
けれど実際は、体重を落として体幹、そして腕・胸を鍛えないと腕立て伏せ(筋トレ)ができません。
まさに目的と手段が逆転している状況ですが、そもそも腕立て伏せは高負荷のトレーニングです。

なので『腕立て伏せができなくても泣かない』に尽きます。

腕立て伏せができなくても痩せます。
筋肉も付けられるし、体幹だって強くできます。
そしていつかは皆さんがイメージしている腕立て伏せを颯爽と――くらいのふわっとした通過目標にしなおしましょう。

それでは―――

で、終わってしまっては誰も納得いきませんよね。
大丈夫です。腕立て伏せができるようになる方法があります!

そもそも『やったことのないことをする』のは非常に難しいものです。
なのでまずは動作を体感するところから始めましょう。

トレーニング1:壁腕立て伏せ

読んで字のごとく、壁に対して腕立て伏せをします。
直立しているので体幹への負担はほぼなく、腕や胸にに掛かる負荷も小さいのが特徴です。
もちろん、これだけでも鍛えられるわけですが、一番の良さは『腕立て伏せを疑似体験できること』に尽きます。
何処に、どうやって力を入れるのか、が体感的に理解できるわけですね。

やり方は
・腕の長さよりも離れて壁に向かって立つ
・肩幅より広げて壁に手を着く
・息を吸いながら肘を曲げて胸を壁に近付ける
・息を吐きながら腕を伸ばして元の位置に

力の入れ具合を確かめながら、ゆっくり深呼吸するように繰り返します。
背中が沿ったり丸まらないように注意して、余り一度にせずに10~15回、2セットを目安に行いましょう。
また、慣れてきたら壁との距離を広げて負荷を上げてください。
距離が遠くて角度が苦しくなってきたらトレーニング2へ進みましょう。

トレーニング2:膝つき腕立て伏せ

こちらは膝を地面についた四つん這いで行う腕立て伏せです。
先ほどとは違い、体重を膝と手で支えるので自重の負荷が体幹にも乗ってきます。
今度は『体幹への力の入れ具合』を体感しながらの訓練です。

やり方は
・両手を肩幅より広げて地面に手を着く
・両膝を地面について足を浮かせる
・息を吸いながら身体から肘を離さないように前に倒れて胸を床に近付ける
・息を吐きながら腕を伸ばして元の位置に

負荷が大きすぎる場合は手をベンチのような台に乗せ、軽減させても構いません。
また、腕立て中に姿勢が崩れるようなら、プランクやハイプランクで一度練習してみてください。
体幹への力の入れ方がわかるので随分安定するはずです。
回数はこれも10~15回、2セットを目安に行いましょう。
楽々こなせるようになれば、晴れて腕立て伏せへの挑戦権をゲットです!


というわけでお疲れさまでした。
何故こうも腕立て伏せは身近に感じられるのか……調べてみると思っていた以上の難易度でしたね。
プランクとかも始めてみると、一分の長さを痛感させられるトレーニングだったりするので、そもそも見積もりが甘いのでしょう。
ホント、いかに日常的に筋力を使わない生活をしているのかと反省しきりですね。
人類の進歩と共に身体が弱っていくとは皮肉なものですね。

それではまたー。

#もやしいため #筋トレ #知られざる真実 #腕立て伏せ

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