【和歌山】 水の重要度【断水】

水が生活に欠かせない――そんなことわざわざ言われるまでもありません。
けれど実際になくなった時、どれだけのオオゴトになるのか、と考えたことはあるでしょうか?
今回は和歌山で実際に起きている、困りごとのお話です。

2021年10月3日午後、和歌山市六十谷、紀ノ川を渡す水道橋が落ちました。

ホントいきなりですね。
10月3日16時頃に、たまたまもやしが水道橋が落ちた話がニュースに気付きました。
この時点で公的発表があったかは不明。
一応、和歌山市のHPにて崩落・断水の報告が掲載された日付は、いずれも10月4日でした。
この時点で結構遅い気がしますね。

ともあれ、10月3日夕方の時点で断水の可能性がニュース上で示唆されていました。
早い人はこの時点で給水タンクや飲料を買い求め、翌10月4日には市内で続々と品切れに突入。
買えなかった人は市外へと遠征に向かうことに……初動の大切さが身に染みますね。
また、改めて防災用品を備蓄しなくてはいけないな、と感じさせられる一件でしょうね。

老朽化が指摘されていますが、耐震工事を行ったばかりとの発表がありました。
橋の途中……接続部でぽっきり折れて落ちた状態で、10月4日現在でもまだ原因は不明。
断水地域の発表と共に学校の休校が決定し、休校した学校に給水車を用意するとのこと。
復旧の目途は立っていません。

また、断水地域はかなり広くはありますが、それでも市内の北部のみ。
品切れや対策の遅れも、日々改善されていくでしょう。
それと、なかなか強烈な崩壊の仕方をしていますが、問題の箇所は水道橋の一角のみ。
地震で地域の地中一帯が全滅してるわけではありませんので、復旧自体にはさほど時間が掛からないと信じたいものです。
――といった前提で、話がスタートです。

1:生活水とは

さて、水が必要な場面を想像してみましょう。
真っ先に来るのが飲料水。
これは生活どころか生存に必要なので、一番重要度が高いものになります。
料理にも使用するからか、考えているよりも多く一人2~3Lもの水が必要になります。

次に水洗トイレ。
生理現象を抑えるのは不可能ですからね。
水の清潔さは問われませんが、想像以上に量が必要です。
押し流す動力にも使われているので、補給できなければ使用できません。

最後が洗浄用。
洗濯・お風呂と言った、何かを洗うための水ですね。
洗浄にすすぎがセットになるため、一度に使う水量が多くなる傾向があります。
緊急性はありませんが、溜めることを前提にしていませんから、少しくらい後回しにできるだけ。
不衛生から病気に発展しかねませんし、特にコロナ禍中の現状では『手洗い』の重要性は高くなります。
アルコール等で代用するにも、水を使用できないのはかなりのストレスになるでしょう。

2:特に困る水洗トイレ

以上、この三つのパターンの中で最も困るのが二番目のトイレです。
年式によっても違いますが、規定量がなければ利用できず、生理現象なので我慢もできない。
それでいて使用頻度は低くなく、一日に五回トイレに行くらいはわりと普通ですよね。
けれどそれだけで貴重な水を20Lは消費してしまう。
そこに家族の人数を掛ければ、日に100Lほども使ってしまう必要な計算になります。
ちなみにバスタブは大体200~300L溜められるようなので、三日ほどしか持たないことになります。

また、利用の度に空っぽになるタンクに水を補充する手間が掛かるのも割と致命的。
人力で補給することを想定していない造りに加え、トイレが広々としている家ばかりでもありません。
トイレに行く度に感じる苦労は大きく、本当に技術の上に成り立つものなんだと実感させられます。
今回は水が問題になりましたが、電気が止まっても同じく致命傷。
停電時のタワマンが阿鼻叫喚の事態に陥ったのは記憶に新しいですね。

しかもこれらは自力で補給ができる健康な人の苦労でしかありません。
足が悪い、腕が上がらない、重い物が持てないなど、動きに制限があればそもそも水洗トイレが使えません。
それの対策というわけではありませんが、自治体が『マンホールトイレ』なる災害時に使用するトイレを設置しています。
が、自宅で催してからそのトイレに辿り着けるとは思えませんよね……?
こうなるとオマルやオムツを使って耐え忍ぶしか方法がありません。
どちらにせよ、処理には多大な労力と心労が掛かることになります。

3:もろもろの対策

個人でできる対策はというと、これはもう防災意識を上げるしかありません。
水に限らず、電気・ガスも無くなれば家のほとんどモノがガラクタになってしまいます。
一昨年が停電、去年は断水、今年も断水となれさすがに警戒もします。
むしろ一回目の時点で危機感を持たなかったことが悔やまれるくらい……。

そこで、もやしもちょっと本気で雨水タンクとか買おうか検討し始めています。
水が入れられるタンクも少しくらい用意する予定です。
まぁ、それもこれも現在の品切れ状態では夢のお話ですが。

次に行政のお話。
どれだけ完璧な保守を行っていても、何らかのトラブルが起きるのは当然です。
むしろ長期に渡って問題が現れなかったことに賞賛を送りこそすれ、非難するのは間違いだと思っています。
しかしそれはあくまで運営のお話。
問題は起こることを前提に、対策を講じなくてはいけません。

まず初動が遅く、公式な情報があまりに乏しい。
防災無線などで放送していたようですが、それはたまたまその場に居て聞けた人しか得られません。
結果、得られる情報のほとんどはニュースが頼りになっていて、公式なものはほとんどありませんでした。
むしろ、電話番号やメールアドレスなどの問い合わせ先を告知する始末……。
ほとんど情報がない状況で、そんなものを掲載したら、問い合わせが殺到して業務が滞るのは目に見えていますよ!

また、情報が断片的過ぎて非常に困りました。
断水地域や給水所の名前を掲載するのは良いのですが、問題なのは地名ではなく『エリア』ですよね。
どこからどこまでが問題があって、何処に何が存在するのかが一目瞭然の地図情報が欲しかった。
その後、断水とは別に『にごり水』が発生したことも告知されています。
これも同様に地名のみ……知らせるにはかなり弱い情報ではないでしょうか。

特に今回の場合は、一年ほど前に花山交差点という幹線道路で起きた断水と同じようなケースです。
たった一本の水道管で、あまりに多くの世帯をカバーしていたのが災いしました。
他の配管を使用して水を回すことができず、市内の多くの世帯が断水したのです。
あの時は幸いにも少しの補修で済んだ(済ませた?)ので、数カ月単位から一週間未満で解決しました。

しかし問題は解決していません。
結局のところ、一本の水道管に負担を掛けているのは変わりません。
逆に言えば、その一本を潰してしまえば以降の水道を使用不可に追い込むことが可能なのです。
それがどれほど恐ろしいことか……。
資源が足りないのかもしれませんが、どうにか捻出する必要がある問題でしょうね。

今回の件も同じく、この一本の水道橋が崩落しただけで和歌山北部の水道が全滅しました。
もしも分散できていれば、片方の送水を止めてもっと細かい検査ができ、崩落を防げたかもしれません。
また、崩落したとしても、断水にまで至らなかった可能性は大いにあります。
一本に頼ることは効率的だからこそ、それだけリスクが高いのを思い知らされる一件です。

さて、断水に対して新情報が入ったので掲載しておきますね。

/https://mainichi.jp/articles/20211004/k00/00m/040/283000c

10月6日から仮設の水道管を通す復旧工事を始め、10月8日に送水再開を目指すそうです。
あくまで仮設ですので、もしかすると節水や給水所などは継続するかもしれませんね。
この辺りは続報を待て、みたいな感じでしょうか。
もう少しこの問題は尾を引きそうですね。


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