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上海電力 咲洲メガソーラーは地方自治法第二百三十八条の四第1項に違反しています②

この記事では『上海電力 咲洲メガソーラーは地方自治法第二百三十八条の四第1項に違反しています①』での検証における、第二百三十八条の四第2項から第4項に咲洲メガソーラーを容認する条項があるかどうかに絞って検証しています


『上海電力 咲洲メガソーラーは地方自治法第二百三十八条の四第1項に違反しています①』と合わせてお読み下さい


咲洲メガソーラーの土地は大阪市有地で用途が緑地の行政財産です
行政財産の管理については地方自治法第二百三十八条の四に定めれれています

行政財産の民間企業への賃貸は地方自治法第二百三十八条の四第2項で定められた6つの条件のいずれかに適合する必要があります

この記事では、咲洲メガソーラーが地方自治法第二百三十八条の四第2項のいずれの規定にも該当しない、違法である事を明らかにして行きます



咲洲メガソーラーの賃貸借契約書の情報については市議会で配布された資料を引用しています

大阪市会録画配信 建設港湾委員会
令和4年6月10日午後1時
http://osaka.gijiroku.com/g07_Video2_View.asp?SrchID=1793
添付資料前田和彦委員配付資料 (PDF 3,260KB)
http://osaka.gijiroku.com/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt1792_20220610maeda.pdf



咲洲メガソーラーの契約書では大阪市の行政財産の『賃貸借契約』と明記されています




地方自治体の行政財産の管理に関するルールは
地方自治法第二百三十八条の四(行政財産の管理及び処分)で規定されています


地方自治法第二百三十八条の四(行政財産の管理及び処分)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000067_20220601_503AC0000000050#Mp-At_238_4



地方自治法第二百三十八条の四第1項では第2項から第4項の例外を除き、行政財産の売払、譲渡、賃貸等の禁止が基本原則であることを規定しています


地方自治法第二百三十八条の四第1項


地方自治法第二百三十八条の四第2項から第4項までに定められた例外を除き
行政財産は売ったり貸したりする事は禁止とされています

第二百三十八条の四 行政財産は、次項から第四項までに定めるものを除くほか、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができない

第二百三十八条の四第1項



行政財産を貸付するには地方自治法第二百三十八条の四第2項から第4項のいずれかに該当する必要があります




地方自治法第二百三十八条の四第3項および第4項は第2項第2号における但し書きです




従って咲洲メガソーラーの土地を『賃貸借契約』するには地方自治法第二百三十八条の四第2項の6つの規定のいずれかに該当する必要があります



なお、地方自治法第二百三十八条の四第2項第1号から第6号において『政令で定める』事柄は地方自治法施行令第百六十九条から第百六十九条の五で規定されています


地方自治法施行令
第百六十九条から第百六十九条の五

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322CO0000000016#Mp-Pa_2-Ch_5-Se_8-Ss_1



地方自治法第二百三十八条の四第2項のすべての規定に『その用途又は目的を妨げない限度において』が適用されます




咲洲メガソーラーの土地が地方自治法第二百三十八条の四第2項の6つの規定に適合するか順番に検証していきます


規定が適用されるには、規定における条件をすべて満たす必要があります
一つ一つ条件を検証し一つでも不適合( ⇒ ❌ )の条件があれば、その規定は適用外となります



地方自治法第二百三十八条の四第2項第1号 ⇒ 適用外



当該普通地方公共団体以外の者 ⇒ ⭕
企業連合体、合同会社も対象になりうる


政令で定める堅固な建物その他の土地に定着する工作物 ⇒ ❌
設置される太陽光パネルは建築物、工作物ではない 

添付資料前田和彦委員配付資料19枚目
添付資料前田和彦委員配付資料19枚目


当該行政財産である土地の供用の目的を効果的に達成することに資すると認められるもの ⇒ ❌

地方自治法第二百三十八条の四第2項では共通の基本的条件『その用途又は目的を妨げない限度において』が規定されています

地方自治法第二百三十八条の四第2項第1号ではそれに加え条件
当該行政財産である土地の供用の目的を効果的に達成することに資すると認められるもの
が規定されています

単なる空きスペースの有効利用ではなく民間等の活力を利用して機能・魅力をアップさせるのが目的であり、緑地であれば、スポーツ施設、売店、レストラン、バーベキュー施設など『てんしば』『大阪城公園』などで行われている様な事が対象です

工場に位置付けられるメガソーラーは明らかに緑地の目的にふさわしくありません

地方自治法第二百三十八条の四第2項第2号から第4号には、この
当該行政財産である土地の供用の目的を効果的に達成することに資すると認められるもの
の規定がありません

つまり、地方自治法第二百三十八条の四第2項第2号から第4号においては、公的機関と店舗、駅舎等の複合施設、庁舎等における遊休施設などが対象になり、行政機関の用途又は目的を妨げない限度においてある程度自由な利用形態が認められています

つまり地方自治法第二百三十八条の四第2項第1号においては、地方自治法第二百三十八条の四第2項第2号から第4号よりも、施設の用途についてより厳しい制約が課せられています



地方自治法第二百三十八条の四第2項第2号 ⇒ 適用外



普通地方公共団体が国、他の地方公共団体又は政令で定める法人と ⇒ ❌
普通地方公共団体が他の地方公共団体または法人(民間)等の共同事業が対象です
合同会社、企業連合体の単独事業は対象外です


行政財産である土地の上に ⇒ ⭕
咲洲メガソーラーの土地は大阪市の行政財産です


一棟の建物を区分して所有するため ⇒ ❌
複数の団体、法人等が複合施設を建設する場合の規定です
合同会社、企業連合体の単独事業は対象外です


政令で定める法人 ⇒ ❌
公的団体等による二分の一以上の出資などが条件になっていますので、これにも適合しません


地方自治法第二百三十八条の四第3項および第4項が第二百三十八条の四第2項第2号における但し書きですので、これについて検証します


地方自治法第二百三十八条の四第3項は第二百三十八条の四第2項第2号の規定により土地の貸付を受けた者が所有する一棟の建物の一部を別の者に譲渡した場合も、適正な者であると認められれば引き続き貸付を行えるとの規定です

地方自治法第二百三十八条の四第2項第2号の規定に適合している事が前提ですので、この規定によって評価が変わる事はありません


地方自治法第二百三十八条の四第4項も第3項が適用された場合の但し書きですので評価に影響ありません



地方自治法第二百三十八条の四第2項第3号 ⇒ 適用外



普通地方公共団体が当該普通地方公共団体以外の者と ⇒ ❌
地方公共団体と民間企業などの共同の事業が対象なので、この規定は適用外です


行政財産である土地及びその隣接地の上 ⇒ ❌
行政財産の土地と民間の土地の上に建物を立てる場合の規定です
咲洲メガソーラーはすべて市有地ですので、この規定は適用外です


一棟の建物を区分して所有するため ⇒ ❌
複合施設を建設する場合等の規定ですのでこれも当てはまりません



地方自治法第二百三十八条の四第2項第4号 ⇒ 適用外



行政財産のうち庁舎その他の建物及びその附帯施設並びにこれらの敷地(以下この号において「庁舎等」という。) ⇒ ❌
緑地であり「庁舎等」ではありません


その床面積又は敷地に余裕がある場合として政令で定める場合 ⇒ ❌
緑地予定地の計画は変更、撤回されていません


当該普通地方公共団体以外の者 ⇒ ⭕
企業連合体、合同会社も対象になりうる



地方自治法第二百三十八条の四第2項第5号 ⇒ 適用外



国、他の地方公共団体又は政令で定める法人 ⇒ ⭕
電気事業法上の電気事業者であれば適合


鉄道、道路その他政令で定める施設 ⇒ ❌
発電施設は含まれません


  • 地方自治法第二百三十八条の四第2項第5号は賃貸ではなく地上権設定の規定です



地方自治法第二百三十八条の四第2項第6号 ⇒ 適用外


国、他の地方公共団体又は政令で定める法人 ⇒ ⭕
電気事業法上の電気事業者であれば適合


電線路その他政令で定める施設 ⇒ ❌
電線路の付属設備ではありません


  • 地方自治法第二百三十八条の四第2項第6号は賃貸ではなく地役権設定の規定です



以上より地方自治法第二百三十八条の四第2項から第4項において咲洲メガソーラーを容認する条項はありません


咲洲メガソーラーが地方自治法第二百三十八条の四第1項違反であることは明らかです


以上