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Day9:「周波数」を変える。

 英知を超えた存在、いわゆる神みたいなものは居ると思う。でも、どこの宗教にも属していないし属したこともない。

 とんでもない目に遭っていたときも、それは人生の試練だとも思わなかったし、いつか神が救ってくれるとも思わなかった。人にゆだねるな、自分で何とかしろよ、というやつだ。

 だから、知識のひとつとして「スピリチュアル」ものの本をずいぶん読んだが、信じていたり好きであるわけでもない。

 ただ、面白い経験があった気がするので、書いてみて、葬ろうと思う。

 心身をとてつもな病んでいた頃、「変なもの」が見えて仕方なかった。祖父が亡くなったとき、私の手が老人斑たっぷりの祖父の手に「なってしまって」うわぁと思ったし(それは精神の問題か)、いわゆる金縛りとか、とにかく奇妙な目に遭うことが多かった。

 働くようになってからは、出張も多かったのだが、ホテルに泊まるのが憂鬱だった。特に海外の、歴史ある伝統的なホテル、は、部屋に入った瞬間、異様な雰囲気がわかり、夜になると案の定、奇妙すぎる現象に遭った。便器の水が、突然うわーっと吹き上げてきたりね。

 そして、おそらく精神の病のある人に、追いかけまわされるというのもよくあった。「ブ~ス!ブ~ス!」と叫びながら追いかけてくる太った女の人は本当に怖かった。

 ストーカー被害にも遭った。ものを盗まれ、アパートの前で待ち伏せされて、襲われかけたこともある(もちろん、警察はなんにもしない)。


 あるとき「いい加減にしろよ!」と思った。

 それらの現象が、ぜんぶつながっていて、原因は私にあることはわかっていた。私が何か、それらを引き付けるものを「出して」いるんだろうとも思った。でもそれは、私は望んでいない。そういうものと接触すると「疲れる」し、「自分がすり減る」んだ。

 よく「私、霊感あるの」。という「かまってちゃん」がいるが(ある会社で、こいつ動物霊ついてるな、という感じの女がいて、しかもそれを自慢していたのには本当に驚いた)、一緒にしないでくれ。

 薄々、そういうものは「周波数」なんじゃないかと思っていた。

 ラジオみたいな感じだ。自分が、その「周波数」にいるから、そういうものが寄ってくるんだ、いや、見えたりつながったりしてしまうんだ。

 こんなものが見えて聞こえて、自分がむしばまれ、消耗するのはまっぴらだ。そういう世界があっても構わない。でも私とは無関係だ。勝手にやってくれ! 私はそんなものが見えない世界に行く!

 私は全身で「怒った」のだと思う。

 それっきり、おかしなものとの遭遇はなくなった。今からずいぶん前の話だ。

 現在、私は、クリアな世界に生きている。私は、この世界のほうが好きだ。

 ただ、人は、生きる世界を好きに選べばいいと思う。私以外の世界がどうあっても結構だ。