放置ゲーの楽しみ方

 先日スマホゲームの『キノコ伝説』がどこからともなく話題になり、周りも盛り上がっていたので適当に触ってみた。
 ソシャゲや一発ネタ系のゲームで流行った要素をてんこ盛りにして、基本放置の戦闘でステージレベルを上げたり、装備のレアリティを競ったりする内容。
 基本的に放置とはいえ、ログインボーナス(ログボ)を全て獲得しようとするとかなりの時間がかかる。そこで、ゲーム本来の目的ではなく、このログボをいかに効率的に獲得するかを自分の中で組み立てた(これが一番のゲーム性といっても過言ではない)。
 まず前提となるのは二倍速だ。アプリ内のコマーシャルを30秒程度見ると、ゲーム速度が30分間二倍速になる。そのまま戦闘を進めるだけで、普通一時間やる場合と同じ速度でステージクリアが可能になる。
 次に溜まっているランプを擦り始め、必ず一回だけで終わるログボ対象に限りザッと一通り獲得を済ませる、そして相互に影響するため往復が必要なログボに対処する。
 あまり細かくログボについて言っても意味が無いが、これら一連の遊び……というよりは作業は、一般的に言われる「面白さ」の中にはあまり入らない作業では無いだろうか。
 それでも何となく続けてしまうのは、そこに何かしらの面白さが含まれているからだとは思う。おそらく、その面白さは仲間内での「こんなに得した」自慢や「取り逃がししてない」という足並み揃えたい欲などだろう。
 そして、もう少しこの部分を深掘りして考えると、おそらく周りの誰もやらなくなったとしたら、このゲームはやる意味が無くなる。誰かがやっているから自分の存在意義や有能さのアピール……つまり承認欲を満たすために、できるだけ成果を最大化しようと踏ん張っている感じだ(この記事が出る頃にはやめている可能性大)。
 さすがどんな形であれ「ソシャゲ」である。ソーシャル要素は人間が群れで生きるために備わっている本能的なところを刺激する。これは昔は意識することが無かったが、現代、誰ともほとんど協力しなくても生きていける、関わろうとしなければ(昔ほどは)誰とも関わらず生きていける、人間関係が軽い時代になったからこそ、面白さとして認知されるようになったものなのだろう。
 これまで周りに合わせてソシャゲ関連はいくつかやったが、ここまで無料で面倒な対応が必要なものが無かったので、気にしたこともなかったが「面倒なのにやってしまう」理由に始めて意識が向いた。

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