文章を読む時頭の中で声がするか

 文章を黙読で読む時、頭の中で声がするかどうかというのが少し話題になっていた。私は頭の中で声が割とするほうだ。「割と」というのは、文字の最初の方だけ瞬間的に声になり、後は消えるからだ。
 速度的にはおそらく声に出して普通に読む速度の二倍程度で読む感じだ。普通に朗読される速度では遅すぎるため、何かしらの発表やプレゼンで、スライドの文字をそのまま読んでいるようなものの場合、黙読で二倍以上は速く読み終わって待っている。
 読む速度にはあまり自信がなく、一般に比べて少し遅いか普通くらいだとは思うが、自分でも不思議なのが瞬間的に見たものでもサブリミナル的に書いてあることが理解できていることが割と多いということだ。正確な文言や内容は、その後精読しないと掴めないことはあるが、概ねの内容的には把握できていて驚くことも多い。
 とはいえ、いくら速かろうが、遅かろうが、いくら声を頭の中で響かせても、言葉から視覚的なイメージができないと読んだ実感が全くないので、文字を眺め追いかけるだけで良しとすることはまずない。
 世の中にはイメージせずに声にもせずに文字を追いかけるだけで満足する人がいるようだ。脳内での視覚イメージの操作こそが「思考」だと個人的には考えているので、何も考えず文字だけ追いかけているというのは一体どういう状態なのだろう。記憶すら不可能に思うが、どんな認識をしているのか知りたい。
 ちなみに頭の中で響く声は書籍、著者によって違うが、汎用的なもので一番近い声が、主にAmazonオーディブルでナレーションをされている岩見聖次さんの声だ。もっと正確には、その岩見さんの声を1.5倍速で再生(ピッチは変わらず速度だけ変わった状態)した感じに近い。
 いや、私の頭の中で聞こえる声よりも岩見さんの声の方が速度感、抑揚の付け方、イントネーションにおいて断然格好いいが、系統はあんな感じだ。初めて拝聴した時「そうこの声この言い方」と興奮した記憶がある。
 声を頭で言いながら読むと何が良くて何が悪いのかは知らないが、文字からいきなりイメージができるようになっていた方が読書速度が速くはなるのかもしれない。訓練にはかなりのコストがかかるとは思うが。

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