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Ⅱ.現代アートのはじまり(ⅰ‐d)ランド・アート


 ランド・アートは自然環境に土木工事を伴うような巨大な作品を設置するアメリカに誕生した動向です。作品は主に設置される土地を変形させる様に作られます。モダニズム芸術のポストモダンの芸術への転換の象徴的な動向として重要とされます。モダンアートにおける純粋な視覚体験を達成しようとする思想は芸術を一般社会から切り離し、世俗的なものから隔離しようとする1929年に設立されたニューヨーク近代美術館(MoMA)はアメリカモダニズム芸術の最高峰と目させ、採用されたホワイト・キューブと呼ばれる窓などの機能部が目立たず、白塗りやコンクリート壁により作品以外の情報を極力削除された展示空間はモダニズムの理想とした鑑賞空間を目指した形態です。ランド・アートも1960年代より現れた芸術の動向であり、ベトナム戦争を受けた近代化への反発による自然志向の流行や、芸術の社会との関係の要求などによって、多くのミニマルアーティンストが多くランド・アートへ転向しました。

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