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私が見た「生きる」~大川小学校 津波裁判を闘った人たち~

このnoteはドキュメンタリー映画「生きる」~大川小学校 津波裁判を闘った人たち~の監督である寺田和弘に届いた、映画を観た方からのコメントを紹介していきます!ぜひ、映画が公開されたら見てください!!そして、コメントをお寄せください!!!

最初のコメントを紹介するのは…
50年間法医学の現場の第一線で活躍してきた、日本大学名誉教授の押田茂實さんです。4月15日の完成試写会に来てくださいました。

 

押田茂實さん 日本大学名誉教授(法医学)  

「生きる」の試写会を観て感激しました。
 難解な再審問題でも、客観的な写真や動画の果たす役割が再評価されていますが、保護者説明会や検証委員会報告での記録が撮影されていたことにビックリしました。特に報告中に交わされる追及の厳しい発言や冷静な発言が放映される影響は大きいと感じました。新聞やマスコミ報道とはちょっと異なる印象であり、厳しい状況の中で、代理人を引き受けた吉岡弁護士と齋藤弁護士が、「被害関係者が一つづつ証拠を探し、真相強究に協力する」という経験したことのない発言にも驚かされました。一歩ずつ少しずつ前進して高額の損害賠償を得た経過が少し理解できました。大きな課題も残されており、今後もこの事件を注目しております。

                    

押田さんの近著は
最終 法医学講義I (押田茂實の最終法医学講義) | 押田茂實, 水野健二 |本 | 通販 | Amazon
「死体」からのメッセージ【改訂新版】 現場の法医学 ~真相究明とは | 押田 茂實, 水沼 直樹 |本 | 通販 | Amazon
等です、ぜひご一読ください。

押田茂實の最終法医学講義 法医学講義Ⅳに私も「押田先生の最終法医学講義を受講して」というコラムを書かせていただきました。

 押田先生との出会いは足利再審事件でした。私は当時、テレビ朝日「サンデープロジェクト」のディレクターで、ジャーナリストの大谷昭宏さんと共に、DNA型鑑定について聞くために日大法医学教室を訪ねました。押田先生は取材の前に必ず「テスト」と「講義」を実施します。その講義での言葉が、今も私の取材姿勢の柱となっています。

「いつ、どこで、誰がやっても、同じ結果が出るのが科学だ」

 足利再審事件以降も、押田先生とは取材を超えたお付き合いをさせていただいていますが、どのような場面でも、この姿勢はぶれていません。それは今回、最終法医学講義を受講して、改めて感じました。連発するフレーズ「タダでおかないぞ」も、オリジナルのマジックも全くぶれていませんでした!

 押田先生から学んだことがもう一つあります。それは「人との出会い、繋がり、人脈」です。自分のための人脈ではなく、社会正義を実現するための人脈作り、それはこの書籍となった「最終法医学講義」を読まれていく中で、皆さんも感じられたのではないかと思います。専門外のことは分かったふりをせず、最も適切な人と力を合わせ、真相に近づいてゆく。そこが押田鑑定の真骨頂だと私は思っています。

 押田人脈は私の取材人生を変えました。いま私は東日本大震災で甚大な被害を受けた「大川小学校」の津波裁判を闘った人たちのドキュメンタリー映画を制作していますが、原告代理人の吉岡和弘弁護士と出会うきっかけも押田先生でした。秋田市で2010年に弁護士の津谷裕貴さん(当時55)が刺殺された事件で、遺族側代理人であった吉岡弁護士は、殺害状況を正確に知りたいと押田先生に鑑定を依頼しました。それが縁で私も再現実験を撮影させていただけることになり、さらにそれが今回の大川小の津波裁判の映画制作に進展していきました。押田門下生の一人として、メディアの世界で「真相究明」を続けていきます。

 今回も貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。寺田和弘



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