木っ端微塵

バックで車をとめようとしていた時、突然ガシャーンという凄い音が。
まさか、私!?
嫌だったけど車から降りて車の後ろに回れば見事にリアガラスが割れて大きな穴があいていた。信じられない光景にうなだれた。
いったい、どこにぶつけたのか?
その突き出た壁というか塀の側面が上に向かって斜めになっているなんて、車の中から見てわかるかい!と、心の中でボヤいていたらこの家に居候?している叔父が出てきた。
「ここにぶつけたみたい。下の段差ばかり気にしていたから、ごめんなさい。」
叔父は塀に手を当てて何ともなっていない事を確認すると、割れたリアガラスを見て笑って去って行った。関わりたくないのだろう、と思った。仕事もせず昼間から酒を飲んでいる身内の問題児でいつも叔母(叔父の姉)から愚痴を聞かされている。
叔母がゴーヤーがいっぱいあるから取りにおいで、と言うので訪れた訳だが、もうゴーヤーなんてどうでもいい(-.-)
運転席に乗り込み、車の購入に協力してくれた従兄弟にLINEした。でも仕事中の筈ですぐに返信がくる訳もなく、Googleで「車、リアガラス、修理」と検索してみた。
意外と近辺に修理工場がいっぱいあったので(さすが車社会の沖縄!)、自分のマンションから一番近い所に電話をかけて事情を話すと、今、混んでいるから代車がないと言ったが、「他の車なんて運転出来ないから結構です。じゃ今から向かいますね。」と返事してGoogle Mapで場所を確認してその修理工場へと、おそるおそる運転して向かった。
時々、チャリーンという音がした。風の強くない日で良かった。朝はどしゃ降りだった雨もいつの間にかやんで良かった。
ガラスも割れたが心もへこんだ。さすがに。
事故を起こした事もなく、修理に出すなんて初めてのこと。あーあ(ToT)
修理工場に着くまでちょっと恥ずかしかったなぁ。私の車の後ろを走っていた人たちは皆、ほくそ笑んでいたに違いない。
ま、他人だから、いいけどね!
修理工場の人は私の車を見るなり全てを理解したようで特に説明もいらなかった。リアガラスはフロントガラスより少し高くなります、と言ったくらい。
車の鍵を預けて電話番号を言って私はトボトボと歩いて帰った。疲れた。
地図だと近く感じたのに20分くらい歩いただろうか。埼玉に住んでいた頃は大した距離じゃなかった。駅まで毎日15分歩いていたのだ。
うちなんちゅは徒歩5分の銀行にだって車で行く。私もペーパードライバー返上して運転するようになった今では、徒歩10分の職場に車で通勤している。
車をぶつけただけで、こんなに落ち込むのだから事故なんて起こした時にしばらくは立ち直れないだろう。
ようやく、運転に慣れてきたもんだから油断して注意が疎かになってしまったのだろうか。
翌日、修理屋さんから電話があった。
たまたま私の車と同じ車種の後ろの扉の在庫があったから全取っ替えしたと。そんな、たまたまがあるのかしら。しかも同じ色の。
とにかく早く修理が済んで良かったけど。
雨が降っていたのでタクシーをつかまえて修理工場へと向かった。
「安全運転でお願いしますね!」と修理屋さんに見送られビクビクしながら家に帰った。
途中、対向車の影から急に猫が出てきてひきそうになった。
しばらく車の運転やめようかなぁ、と考えながら早々に寝たのだが、翌朝はまた強い雨が降っていて、とても歩いて通勤する気になれなかった。
車は、楽だもの。
だけど、いつも危険と隣り合わせ。
どうか、事故に合いませんように。
ぶつかりませんように。
ビクビクしながら運転している。

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