見出し画像

細胞外小胞エクソソームが細菌毒素を捕らえて細胞を守る

提供元:Biotoday

細胞に穴を空けて破裂させる毒素の発射はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の病原性細菌が細胞を攻撃するときの常套手段の1つです。

MRSAが放つα毒素はそこかしこの細胞や組織の膜貫通蛋白質ADAM10に結合して細胞に穴を開け、オートファジー蛋白質ATG16L1はα毒素から細胞を守る働きがあることがこれまでの研究で知られています。

ニューヨーク大学の研究者等による新たな研究の結果、ATG16L1やその他のオートファジー蛋白質を頼りに放出されるADAM10搭載細胞外小胞(エクソソーム)がα毒素を捕らえて細胞破裂を防ぐと分かりました(1)(2)(3)。

また、ATG16L1欠損マウスではなく野生型マウスからのエクソソームをMRSA感染マウスに投与すると生存が延長しました。

α毒素を捕えるエクソソームは細胞のTLR9が細菌DNAを感知することを契機にして放出されます。

感染の害を減らすのにエクソソームが役立つかどうかを今後の試験で調べる必要があります。

[図は、細菌(青色)が放った毒素(紫の粒)をエクソソーム(黄色)が受け止めている様子]

ここから先は

237字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?