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2人声劇 想定3分『宵闇の刻』作 沖ママ

ホラー声劇です👻

雪女 : 女性
お狐様 : 性別不問

雪女
「これはこれは。この様な場所にご来客とは、また珍しい。」

お狐様
『今日は特別な日。あなた様もまた、同じでは?』

雪女
「そうですわね。わたくし、北の山中(さんちゅう )で女将(おかみ)などをやっておりましてね。あなた様は?」

お狐様
『私は神社にお世話になっておる身でございます。』

雪女
「皆様、お揃いのようですのよ?あちらに、まいりません?」

お狐様
『いやいや。あなた様こそ、行かれたらよろしい。皆様、お揃いなのでしょう?』

雪女
「わたくし、大勢いらっしゃるところは苦手なのです。この氷のように冷たい体が、火照ってしまします。」

お狐様
『それはいけませんな。あなたのような、お美しいお方がこちら側に居るというだけでも、高揚(こうよう)致します故(ゆえ)。』

雪女
「ふふふ、嬉しいことを仰(おっしゃ)るお方。お口がお上手ですこと。それ以外にも、何か出来るのですか?」

お狐様
『そうですね、手品のようなものですが。』

雪女
「まぁ、見せていただくことは?」

お狐様
『ここでは、はばかられますな。』

雪女
「あら、どうして?」

お狐様
『あなた様も人が悪い。ここがどういう場所か、ご存知でしょう?』

雪女
「それは残念。ですが、生憎(あいにく)と、わたくしは人ではありませんのよ?」

お狐様
『あぁ。言葉のあや、ですよ。かく言う私も人ではありませんがね。』

雪女
「そのお姿を見れば一目瞭然(いちもくりょうぜん)。ですからここへ、いらしたのでしょう?」

お狐様
『そのようなものです。私の神通力を使って言葉巧みに人間をたぶらかし、冥界の門へと連れていきます。それが私の約目。』

雪女
「わたくしのお役目など、知れていますわ。この透き通るような白い肌と、見目麗(みめうるわ)しい美貌。そして、かくも悲しき乙女を演じられる声で人間を騙し、氷漬けにして献上するのです。」

お狐様
『それはそれは。おっと、そろそろ準備が整ったようですよ。』

雪女
「あら、それでは我々も参りましょうか。」

お狐様
『人間狩りへと。』

雪女
「あはははは。」

お狐様
「くくく、はははははは!」

終わり

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