バレンタインの挑戦『メッセージ』

ソロ(男性)

『メッセージ』

《着信音》
『もしもし？』

『あぁ、ん？今？いいよ。うん、大丈夫。』

『もう家に帰って来てるからさ。それより、昼間のメッセージ何だったんだ？』

『悪ぃ、最近バタバタでさ。ほら、流行り風邪とか色々あんじゃん？』

『そうそう、ただでさえ俺んとこ人手不足だってのにさ～。ホント最悪。』

『はぁ……。何でもねぇよ。俺の事よりさ、そっちは？』

『何がって……そっちも忙しいんだろ？今、繁忙期じゃないのか？』

『はぁ！？仕事辞めた！？』

『ちょっ、何言ってんの？』

『いやいや。今の仕事、夢だって言ってたじゃん。』

『そうだけどさ、夢叶えるんだって張り切ってたじゃん。』

『いいのかよ？中途半端で。』

『いいなら……まぁ、いいんだけどさ。』

『それ以上、引き止めないのかって？』

『たった今、辞めたって言ってたじゃんかよ。辞めたって事はもう……。そういう事だろ？』

『必死に追いかけてた夢は、そんな簡単に諦めていいもんだったのかよ！そっちも頑張ってると思ってるから俺だって！』

『……な、何でもねぇよ！』

『……悪かったな。その……。怒鳴ったりして。』

『あぁ。んじゃ、切るぞ？』

『ん？メッセージ？分かった分かった、ちゃんと見ておくから。』

『……おやすみ。』

《通話を切りメッセージを確認する男性。慌てて電話をかける》

《呼出音》
『……くそ、出ろよ。早く！頼む！出てくれ！』

《呼出音》
『……んだよ！もう1回！』

《呼出音継続》
『早く！早く！早く早く早く！』

《呼出音ここまで》
『……出た。』

『あーー！！！切るな！切るな！』

『メッセージ！見たから！』

『……あ、ありがとな。』

『告白、嬉しかった。』

『あぁ、こちこそ。これからは恋人として……宜しくな。』

終わり